21 / 204
吸血鬼
第3話 点滴は怖い
しおりを挟む
診察結果は、やはり真穂の推察通りの『熱中症』であった。
可愛い河童の医者は、水藻と言うそうで。彼の診察でも熱中症とわかったため、吸血鬼は水分補給なども兼ねて点滴で様子見することになり。
美兎は持っていたハンカチで、寝台に横になっている吸血鬼の額の汗などを拭いてやった。ファンデーションなどをつけているのか、すぐに白く汚れた。
「ふーん? フィールド家の奴よねぇ?」
美兎の隣に椅子を持ってきた真穂が、面白そうなものを見る感じに吸血鬼の顔を覗いた。
「外人さん?」
「そうね? けど、こいつはたしか日本育ちだったはずよ」
「へー……?」
目はつむっているので何色かはわからないが。
顔以外の肌は白人並みに白く、髪は綺麗なブロンドだ。顔の彫りも深く、首が細い。最初は同じくらいの年頃かと思ったが、あやかしなので正確な年齢はわからないだろう。
とにかく、美形だと言うのは十分にわかったが。
「フィールド家の坊ちゃんですか。引きこもりだと噂では聞いてたんですが」
水藻はカルテを書きながらも、点滴の用意をしていた。看護士はいないようで、担架役の河童達は別で動いているみたいだった。
彼が美兎に一言断ってから、吸血鬼の上着を脱がせてシャツの袖をまくった。抜けるような白い肌にこれから点滴を打つのだと思うと、何故か美兎が緊張してしまう。
「……ん?」
水藻が針を向けた時、吸血鬼が目を覚ましたようでまぶたがピクピクと動き出した。ぱちっと開くと、綺麗なエメラルドグリーンの瞳とご対面。
えっ、と言う感じに目が丸くなり、美兎と目が合った途端。目尻が紅く染まり出して、吸血鬼は口をあわあわと動かした。
「え、え、え!?」
「はい。起きたようだけど、点滴しますよー?」
「え、点滴??」
「あなた、大須で熱中症になりかけたんですよ? こちらのお嬢さん方が連れて来てくださったんです」
「……え?」
「はい、射します」
「い゛!?」
問答無用で水藻は的確に吸血鬼の腕に針をさして、痛がっている彼を他所に、点滴のパックの準備などをしてから今度は彼に薬のようなものを飲ませたが。
「塩飴なので、ゆっくり舐めていてください」
「……ふぁい」
「フィールド家の坊ちゃんらしいですね? ご自宅に連絡しましょうか?」
「……いえ。今は、ひとり暮らし……あ、あ、バイト!?」
「バイトされているんですか? 界隈でです? それとも人間界で?」
「人間界で…………あの、マニメイト……ってとこで」
「ああ、なるほど。連絡しますよ、僕もあそこ常連なので。……登録名は?」
「……ジェイク、です。ジェイク=フィールドで」
「わかりました。連絡して来ますね?」
と、水藻はテキパキと問診し終えたら奥の方に行ってしまった。
美兎や真穂が側にいるので、ジェイクと言う吸血鬼はまだ落ち着かずに目を動かしながら口の中の塩飴を舐めていた。
「……ほんと。あんた運良かったわよ?」
真穂が一番に口を開くと、大きくため息を吐いた。
「美兎……この子が近く通んなきゃ、あんた人間の病院送りになるとこだったわよ?」
「あ……ありがとう、ございました」
「あの……気分悪くないです? 吐き気とかは?」
「だ……だだ、大丈夫……です。…………ここは?」
「錦の界隈。真穂が馴染みあるし、この子もよく来るから大須じゃなくてこっちの診療所に連れて来たの」
「…………真穂様のお手をわずらわせてしまって、すみま……せん」
「謝罪はいいから」
「……美兎、さん。ありがとうございました」
「いいえ。気がついて良かったです」
少し声がどもっているが、普通に日本語で話せているようで良かった。もし日本語じゃなかったら、英語がほとんど出来ない美兎にはお手上げだからだ。
マニメイトについては、美兎は行ったことがないのでわからないがコスプレをしている彼の様子から、アニメオタク関連の店なのだとは予想が出来た。
アニメはあまり見ないが、漫画は普通に読むし、オタクを敬遠したりはしない。デザイナー部分で言えば、美兎もそちら寄りのオタクだから。
「こんなあっつい炎天下で、その格好はミスチョイスよ? もうちょっと、薄手の生地にするとかにしなさい?」
「……そう、ですね。……リアルに近づけようとして……この生地にしたので」
「え、その服。フィールドさんのお手製なんですか?」
「は……はい」
思わず美兎が拍手すると、ジェイクの顔がさらに紅くなって行く。何か変な事を言ったかと首を傾げたら、水藻が戻ってきた。
「はい。店長さんと連絡取れましたよ。僕が連絡したからかすぐに了解してくれました。人間界用の診断書はきちんと出しますので、明後日くらいには歩いても大丈夫です」
これだけ質問の受け答えが出来ているので、と水藻は残りのパックの量を見てからジェイクの体を触診して行く。
「……あの。店長、はなんと?」
「結構心配されていましたよ? 僕は中古品とゲームコーナーしか行かないのでフィールドさんのことは存じていませんでしたが。なかなか来ないので事故にでもあったんじゃないかとも。けど、うちで診ていることをお伝えしたら、よろしくお願いしますと言われました」
「……あ、ありがとうございます」
「いえいえ。落ち着いたのなら何より。名古屋の暑さは舐めてはいけませんよ? そのコスプレは冬の方が良いです。夏場は夏らしい装いの方が良いですね?」
では、あと二時間程ゆっくりしてください。
水藻はそう言うと、何か仕事があるのかまた奥の方に行ってしまった。
「ゆっくり休んでください。あ、話したいですか?」
「あ……い、いえ。少し……寝ます」
ジェイクもそう言うと、すぐに寝息を立てて寝てしまった。気を失うくらいに体力を消耗したので、回復するのには時間がかかる。
なら、起きたらお腹が空くかもしれない。今はちょうど十五時過ぎ。
まだ火坑は仕込みか何かをしているかもしれないが、何か持ち帰りの料理を作ってもらおうと美兎は思い立った。
真穂に言うと、いいのではと言ってくれたので……水藻に一言告げてから下の階に降りることにした。
可愛い河童の医者は、水藻と言うそうで。彼の診察でも熱中症とわかったため、吸血鬼は水分補給なども兼ねて点滴で様子見することになり。
美兎は持っていたハンカチで、寝台に横になっている吸血鬼の額の汗などを拭いてやった。ファンデーションなどをつけているのか、すぐに白く汚れた。
「ふーん? フィールド家の奴よねぇ?」
美兎の隣に椅子を持ってきた真穂が、面白そうなものを見る感じに吸血鬼の顔を覗いた。
「外人さん?」
「そうね? けど、こいつはたしか日本育ちだったはずよ」
「へー……?」
目はつむっているので何色かはわからないが。
顔以外の肌は白人並みに白く、髪は綺麗なブロンドだ。顔の彫りも深く、首が細い。最初は同じくらいの年頃かと思ったが、あやかしなので正確な年齢はわからないだろう。
とにかく、美形だと言うのは十分にわかったが。
「フィールド家の坊ちゃんですか。引きこもりだと噂では聞いてたんですが」
水藻はカルテを書きながらも、点滴の用意をしていた。看護士はいないようで、担架役の河童達は別で動いているみたいだった。
彼が美兎に一言断ってから、吸血鬼の上着を脱がせてシャツの袖をまくった。抜けるような白い肌にこれから点滴を打つのだと思うと、何故か美兎が緊張してしまう。
「……ん?」
水藻が針を向けた時、吸血鬼が目を覚ましたようでまぶたがピクピクと動き出した。ぱちっと開くと、綺麗なエメラルドグリーンの瞳とご対面。
えっ、と言う感じに目が丸くなり、美兎と目が合った途端。目尻が紅く染まり出して、吸血鬼は口をあわあわと動かした。
「え、え、え!?」
「はい。起きたようだけど、点滴しますよー?」
「え、点滴??」
「あなた、大須で熱中症になりかけたんですよ? こちらのお嬢さん方が連れて来てくださったんです」
「……え?」
「はい、射します」
「い゛!?」
問答無用で水藻は的確に吸血鬼の腕に針をさして、痛がっている彼を他所に、点滴のパックの準備などをしてから今度は彼に薬のようなものを飲ませたが。
「塩飴なので、ゆっくり舐めていてください」
「……ふぁい」
「フィールド家の坊ちゃんらしいですね? ご自宅に連絡しましょうか?」
「……いえ。今は、ひとり暮らし……あ、あ、バイト!?」
「バイトされているんですか? 界隈でです? それとも人間界で?」
「人間界で…………あの、マニメイト……ってとこで」
「ああ、なるほど。連絡しますよ、僕もあそこ常連なので。……登録名は?」
「……ジェイク、です。ジェイク=フィールドで」
「わかりました。連絡して来ますね?」
と、水藻はテキパキと問診し終えたら奥の方に行ってしまった。
美兎や真穂が側にいるので、ジェイクと言う吸血鬼はまだ落ち着かずに目を動かしながら口の中の塩飴を舐めていた。
「……ほんと。あんた運良かったわよ?」
真穂が一番に口を開くと、大きくため息を吐いた。
「美兎……この子が近く通んなきゃ、あんた人間の病院送りになるとこだったわよ?」
「あ……ありがとう、ございました」
「あの……気分悪くないです? 吐き気とかは?」
「だ……だだ、大丈夫……です。…………ここは?」
「錦の界隈。真穂が馴染みあるし、この子もよく来るから大須じゃなくてこっちの診療所に連れて来たの」
「…………真穂様のお手をわずらわせてしまって、すみま……せん」
「謝罪はいいから」
「……美兎、さん。ありがとうございました」
「いいえ。気がついて良かったです」
少し声がどもっているが、普通に日本語で話せているようで良かった。もし日本語じゃなかったら、英語がほとんど出来ない美兎にはお手上げだからだ。
マニメイトについては、美兎は行ったことがないのでわからないがコスプレをしている彼の様子から、アニメオタク関連の店なのだとは予想が出来た。
アニメはあまり見ないが、漫画は普通に読むし、オタクを敬遠したりはしない。デザイナー部分で言えば、美兎もそちら寄りのオタクだから。
「こんなあっつい炎天下で、その格好はミスチョイスよ? もうちょっと、薄手の生地にするとかにしなさい?」
「……そう、ですね。……リアルに近づけようとして……この生地にしたので」
「え、その服。フィールドさんのお手製なんですか?」
「は……はい」
思わず美兎が拍手すると、ジェイクの顔がさらに紅くなって行く。何か変な事を言ったかと首を傾げたら、水藻が戻ってきた。
「はい。店長さんと連絡取れましたよ。僕が連絡したからかすぐに了解してくれました。人間界用の診断書はきちんと出しますので、明後日くらいには歩いても大丈夫です」
これだけ質問の受け答えが出来ているので、と水藻は残りのパックの量を見てからジェイクの体を触診して行く。
「……あの。店長、はなんと?」
「結構心配されていましたよ? 僕は中古品とゲームコーナーしか行かないのでフィールドさんのことは存じていませんでしたが。なかなか来ないので事故にでもあったんじゃないかとも。けど、うちで診ていることをお伝えしたら、よろしくお願いしますと言われました」
「……あ、ありがとうございます」
「いえいえ。落ち着いたのなら何より。名古屋の暑さは舐めてはいけませんよ? そのコスプレは冬の方が良いです。夏場は夏らしい装いの方が良いですね?」
では、あと二時間程ゆっくりしてください。
水藻はそう言うと、何か仕事があるのかまた奥の方に行ってしまった。
「ゆっくり休んでください。あ、話したいですか?」
「あ……い、いえ。少し……寝ます」
ジェイクもそう言うと、すぐに寝息を立てて寝てしまった。気を失うくらいに体力を消耗したので、回復するのには時間がかかる。
なら、起きたらお腹が空くかもしれない。今はちょうど十五時過ぎ。
まだ火坑は仕込みか何かをしているかもしれないが、何か持ち帰りの料理を作ってもらおうと美兎は思い立った。
真穂に言うと、いいのではと言ってくれたので……水藻に一言告げてから下の階に降りることにした。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
【完結】国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
gari
キャラ文芸
☆たくさんの応援、ありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
※ 一話の文字数を1,000~2,000文字程度で区切っているため、話数は多くなっています。
一部、話の繋がりの関係で3,000文字前後の物もあります。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
うらにわのこどもたち
深川夜
キャラ文芸
人の寄り付かない、ひっそりと佇む秘密の研究施設。
そこには自らの研究施設を〝はこにわ〟と呼ぶ風変わりな女所長と、マスク姿の見目麗しい青年研究員、そして六人の「実験体」の「こどもたち」が住んでいる。
研究施設の謎、絡み合ういびつな愛情、物語が始まる前から始まっていた悲劇。
あなたに愛と正しさを問うヒューマンドラマ。
――小さな傷を、あなたに。
♝表紙イラスト:くらい様
あやかし駄菓子屋商店街 化け化け壱花 ~ただいま社長と残業中です~
菱沼あゆ
キャラ文芸
普通の甘いものではこの疲れは癒せないっ!
そんなことを考えながら、会社帰りの道を歩いていた壱花は、見たこともない駄菓子屋にたどり着く。
見るからに怪しい感じのその店は、あやかしと疲れたサラリーマンたちに愛されている駄菓子屋で、謎の狐面の男が経営していた。
駄菓子屋の店主をやる呪いにかかった社長、倫太郎とOL生活に疲れ果てた秘書、壱花のまったりあやかしライフ。
「駄菓子もあやかしも俺は嫌いだ」
「じゃあ、なんでこの店やってんですか、社長……」
「玖 安倍晴明の恩返し」完結しました。
ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)
京衛武百十
キャラ文芸
もう収集つかないくらいにとっ散らかってしまって試行錯誤を続けて、ひたすら迷走したまま終わることになりました。その分、「マイルドバージョン」の方でなんとかまとめたいと思います。
なお、こちらのバージョンは、出だしと最新話とではまったく方向性が違ってしまっている上に<ネタバレ>はおおよそ関係ない構成になっていますので、まずは最新話を読んでから合う合わないを判断されることをお勧めします。
なろうとカクヨムにも掲載しています。
継母ですが、娘を立派な公主に育てます~後宮の事件はご内密に~
絹乃
キャラ文芸
母である皇后を喪った4歳の蒼海(ツァンハイ)皇女。未来視のできる皇女の養育者は見つからない。こんなに可愛いのに。愛おしいのに。妃嬪の一人である玲華(リンホア)は皇女の継母となることを誓う。しかし皇女の周りで事件が起こる。謎? 解き明かしましょう。皇女を立派な公主に育てるためならば。玲華の子育てを監視するためにやってきたのは、侍女に扮した麗しの青年だった。得意の側寫術(プロファイリング)を駆使して事件を解決する、継母後宮ミステリー。※表紙は、てんぱる様のフリー素材をお借りしています。
後宮の隠れ薬師は、ため息をつく~花果根茎に毒は有り~
絹乃
キャラ文芸
陸翠鈴(ルーツイリン)は年をごまかして、後宮の宮女となった。姉の仇を討つためだ。薬師なので薬草と毒の知識はある。だが翠鈴が後宮に潜りこんだことがばれては、仇が討てなくなる。翠鈴は目立たぬように司燈(しとう)の仕事をこなしていた。ある日、桃莉(タオリィ)公主に毒が盛られた。幼い公主を救うため、翠鈴は薬師として動く。力を貸してくれるのは、美貌の宦官である松光柳(ソンクアンリュウ)。翠鈴は苦しむ桃莉公主を助け、犯人を見つけ出す。※表紙はminatoさまのフリー素材をお借りしています。※中国の複数の王朝を参考にしているので、制度などはオリジナル設定となります。
※第7回キャラ文芸大賞、後宮賞を受賞しました。ありがとうございます。
転生したら侯爵令嬢だった~メイベル・ラッシュはかたじけない~
おてんば松尾
恋愛
侯爵令嬢のメイベル・ラッシュは、跡継ぎとして幼少期から厳しい教育を受けて育てられた。
婚約者のレイン・ウィスパーは伯爵家の次男騎士科にいる同級生だ。見目麗しく、学業の成績も良いことから、メイベルの婚約者となる。
しかし、妹のサーシャとレインは互いに愛し合っているようだった。
二人が会っているところを何度もメイベルは見かけていた。
彼は婚約者として自分を大切にしてくれているが、それ以上に妹との仲が良い。
恋人同士のように振舞う彼らとの関係にメイベルは悩まされていた。
ある日、メイベルは窓から落ちる事故に遭い、自分の中の過去の記憶がよみがえった。
それは、この世界ではない別の世界に生きていた時の記憶だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる