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第81話 長老の恋
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ぷるんと、スプーンで揺れたスッポンの脳みそは……ユキトさんの口の中に、ゆっくりと吸い込まれていく。
ほとんど飲み込むような食べ方だけど……ユキトさんの喉が動くと、彼女は肉にがっついたと同じようにスプーンでどんどん脳みそをすくっていった。
「お……いしい!」
「クセになりますよね?」
「……はい!」
通常のスッポンよりは大きいが、人間とかの頭の大きさしかないそれを……ユキトさんは残さず完食してくださった。
満足したようなため息を吐いたところに、私はお茶を出した。スインドさんが、チルットから出る前に鞄の中に入れていた……ほうじ茶のような茶葉で淹れたお茶を。
マルトって品種らしいけど……食後のお茶には最適だと思う。熱いことを伝えて、ユキトさんにひと口飲むように勧めた。
「どうぞ」
「……あ、こうば……しい」
「脂ものが多かったので、スッキリすると思います」
「……はい。…………これも、ヒロさんの、知識ですか?」
「学んだ知識に文化ですね?」
アナログなことには、携帯機器以外深く関わっていなかったので……料理にもそこまで不便じゃない。だからって、修行の身であることに変わりないし……誰かの協力がなければ、ここまで出来なかった。
美女神様に転移された後、クレハと出会わなきゃ……このスタート地点にも来れなかった。
「…………す、素晴らしい……です。異なる、世界……に、このような……ものが」
「少しずつ、ですが。料理でお伝えしますね?」
「……はい。…………あの、ひとつ……相談しても、いいです……か?」
「相談ですか?」
なんだろう? と思っていると……ユキトさんは、お茶の器を持ちながらそわそわとし始めた。
「……その」
「はい?」
「ひ……ヒロ、さんは……」
「ええ」
「…………ざ、ザックさんをお好きですか!?」
どもらずに、最後にはっきり伝えてくれた言葉を受け止めると。さすがに……私でも彼女の言いたい事が、わかったわ。
「……ふふ。私は、仕事関係で頼りにしてますが。友人としての好意はありますよ?」
「! じゃあ……」
「はい。恋愛感情としては特に」
いい人ではあるけど……あの親しみやすさは、私個人としては『友達』だと思う。同い年であるし、最初はちんちくりん扱いはされたが……今は全然違うし。ザックさんからも、特に必要以上の好意を向けられたことはない。
「……そ、そう……ですか」
「けど、意外です。ユキトさん、男性苦手ですよね?」
「…………は、話し方は……独特、ですが。…………わ、私……を、モンスターじゃなく『ヒト』のように、話しかけてくれたので」
「……それが、嬉しかったんですね?」
「……はい」
たしかに……ザックさん、ほとんど誰にでもフレンドリーな部分あるからなあ。長老様でも、ユキトさんは外見は若いし美人さんだし……気に入ったからかも。彼自身の恋愛感情は……確かめようにも、次来るのはあと一週間先だし。
そこは、ゆっくり見守ろうと思う。
「全力で応援しますね!」
けど、この気持ちは本当だ。
「あ……ありがとう、ございます。…………ヒロ、さんは。どなた……か、居ないのですか?」
「私……ですか?」
聞かれてちょっとびっくりしたけど……何故か浮かんだのは、スインドさんに抱きしめられた思い出だった。
ほとんど飲み込むような食べ方だけど……ユキトさんの喉が動くと、彼女は肉にがっついたと同じようにスプーンでどんどん脳みそをすくっていった。
「お……いしい!」
「クセになりますよね?」
「……はい!」
通常のスッポンよりは大きいが、人間とかの頭の大きさしかないそれを……ユキトさんは残さず完食してくださった。
満足したようなため息を吐いたところに、私はお茶を出した。スインドさんが、チルットから出る前に鞄の中に入れていた……ほうじ茶のような茶葉で淹れたお茶を。
マルトって品種らしいけど……食後のお茶には最適だと思う。熱いことを伝えて、ユキトさんにひと口飲むように勧めた。
「どうぞ」
「……あ、こうば……しい」
「脂ものが多かったので、スッキリすると思います」
「……はい。…………これも、ヒロさんの、知識ですか?」
「学んだ知識に文化ですね?」
アナログなことには、携帯機器以外深く関わっていなかったので……料理にもそこまで不便じゃない。だからって、修行の身であることに変わりないし……誰かの協力がなければ、ここまで出来なかった。
美女神様に転移された後、クレハと出会わなきゃ……このスタート地点にも来れなかった。
「…………す、素晴らしい……です。異なる、世界……に、このような……ものが」
「少しずつ、ですが。料理でお伝えしますね?」
「……はい。…………あの、ひとつ……相談しても、いいです……か?」
「相談ですか?」
なんだろう? と思っていると……ユキトさんは、お茶の器を持ちながらそわそわとし始めた。
「……その」
「はい?」
「ひ……ヒロ、さんは……」
「ええ」
「…………ざ、ザックさんをお好きですか!?」
どもらずに、最後にはっきり伝えてくれた言葉を受け止めると。さすがに……私でも彼女の言いたい事が、わかったわ。
「……ふふ。私は、仕事関係で頼りにしてますが。友人としての好意はありますよ?」
「! じゃあ……」
「はい。恋愛感情としては特に」
いい人ではあるけど……あの親しみやすさは、私個人としては『友達』だと思う。同い年であるし、最初はちんちくりん扱いはされたが……今は全然違うし。ザックさんからも、特に必要以上の好意を向けられたことはない。
「……そ、そう……ですか」
「けど、意外です。ユキトさん、男性苦手ですよね?」
「…………は、話し方は……独特、ですが。…………わ、私……を、モンスターじゃなく『ヒト』のように、話しかけてくれたので」
「……それが、嬉しかったんですね?」
「……はい」
たしかに……ザックさん、ほとんど誰にでもフレンドリーな部分あるからなあ。長老様でも、ユキトさんは外見は若いし美人さんだし……気に入ったからかも。彼自身の恋愛感情は……確かめようにも、次来るのはあと一週間先だし。
そこは、ゆっくり見守ろうと思う。
「全力で応援しますね!」
けど、この気持ちは本当だ。
「あ……ありがとう、ございます。…………ヒロ、さんは。どなた……か、居ないのですか?」
「私……ですか?」
聞かれてちょっとびっくりしたけど……何故か浮かんだのは、スインドさんに抱きしめられた思い出だった。
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