【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜

櫛田こころ

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第71話 泥から出たのは

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 場所は移りまして。


「……ほんまにここでええの? ヒロ」


 水場は水場なんだけど……クレハが心配するのも無理ないってくらい、『濁った水』の溜まり場に来たのだ。

 他にもスインドさんにザックさんがいるけど、同じように心配そうな表情をされてしまったわ。


「うん! ここでいいの」


 魚は魚でも……クレハの魔物とかの生態系をざっくり聞いた時に。

 絶対……この場所にいるはずの魔物が、きっとあのお酒に合うと思ったのよね? クレハとかユキトさんが大好物だって言う匂いがどぎついお酒に!


「ニョロギアがおるだけやで?」


 なんか可愛らしい名前だけど……実際に説明を聞くと『うなぎ』ぽいことがわかった。

 本当は綺麗な水の中に棲息しているのがいいんだけど……背に腹は変えられない!

 異世界でうなぎを食べられるのであれば……さらに、美味しい料理ができるはずだから!!

 ジビエ……ではないと最初は思ったけど。この世界だとモンスターも見向きしないほどのゲテモノらしい。となれば、これは異世界だとジビエになるかもしれないわ! と思ったのです!


「ちょっと下処理大変だけど……クレハもきっと気に入る料理にしてみせるわ!! お願い!!」

「……まあ、ヒロの料理なら」


 ほい、とばかりにいつもの尻尾フリフリで水面が……泡立っていく。

 そして、ばっしゃーんと音が立ったら……出てきたのだ。

 思わず、口がひくって言うくらいの……巨大過ぎる『うなぎ』が。頭に変なトサカみたいなのがついているけど!?


「これだけでええん?」

「じゅ……充分」


 さて、驚いているだけではいけないので……これを次は、移動して綺麗な水場に移すのもクレハにお願いしました。


「泥洗うためなん?」

「それだけじゃなくて……胃袋とか、身にも泥臭さがあるから。出来るだけ抜くの。手順はさっきのでとりあえずお願い」

「ええよー」


 それと、後ろから一緒に来てくれている男性二人は不安要素満載の顔をしているだけでなく。

 クレハの、狩りの方法が豪快かつ手際が良過ぎるのに驚きを隠せていないようだ。


「……めっちゃ、すごぉ」

「……やはり、モンスターだからか」


 おふたりは、狩りが出来るかどうか聞いていないけど……多分、クレハのようには、出来ない……はず。

 それから数分歩いた先に、私とクレハが六角ボアを捌いた川べりに到着。うなぎことニョロギアを……ここでは、生け取りしたので気絶させてから沈めることに。


「……ほんま、美味くなるん?」

「うーん。調理法にもよるんだけど」


 転移する前の……勉強のためにあちこち偵察に行った店の中では、うなぎを天ぷらとかフライにする方法があったのだ。

 蒲焼きだなんて、師匠達に串うちしか教わってないから……見て覚えただけのにわかじゃ、提供したくない。

 なので、そっちにするつもりなのだ。
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