59 / 99
第59話 天神様と切り替え
しおりを挟む
森が変わっていく。
浄化された魂も……天上へと昇っていく。
これで……良いのだ。
私達が成したことは、決して無駄ではない。
そう言い聞かせておかないと……私は心が納得しなかった。
あのような出来事が……これからもあるのだと思うと。
涙がその都度、溢れ出てしまうよ。
『……マスター、だ……じょぶ?』
フータに、また心配をかけてしまったのだろう。
私は……出来るだけ笑顔を作って、彼を撫でてやった。
「……大丈夫。未熟なのは痛感させられたけど」
『……マスター、す……ごい』
「そうかな? 石を送るしか出来なかったけれど」
世界樹は……何をしたいのだろうか。
聖樹石も……意識体を寄越してまで、私達に試練を与えたりした。
結果としては……双方の願いや、浄化などが叶ったが……私は神であった頃を抜きにしても、弱い。
弱過ぎて、不甲斐ないと感じてしまう。
【しかし……あの石を送ってくださったことで、我らの森も変われた。誠に、感謝してもしきれない】
「……そうだといいけれど」
ケルピーは、私達に感謝の言葉を使ってくれた。
せめて……それだけでも、素直に受け取ることにしたよ。
しばらく、ケルピーが飛んでくれたことで……入り口には問題なく到着することが出来た。
彼の背から降りた時に、ケルピーからなにかを差し出された。一本の……太い髭?
【我の触角。何かの役に立つだろう……持っていかれよ】
「……ありがたく頂戴するよ」
依頼などでも役に立つかもしれないが……とりあえず、鞄の中にしまっておくことにした。
彼は私達に向かって、軽く頷いてから……空を駆けていったよ。
『い……く?』
「そうだね? 次の目的地の途中まで……歩いていこう」
「……ですな」
ところで……世界樹は宝玉を使わず、何故ケインらに言伝を頼んだだろうか?
浄化された魂も……天上へと昇っていく。
これで……良いのだ。
私達が成したことは、決して無駄ではない。
そう言い聞かせておかないと……私は心が納得しなかった。
あのような出来事が……これからもあるのだと思うと。
涙がその都度、溢れ出てしまうよ。
『……マスター、だ……じょぶ?』
フータに、また心配をかけてしまったのだろう。
私は……出来るだけ笑顔を作って、彼を撫でてやった。
「……大丈夫。未熟なのは痛感させられたけど」
『……マスター、す……ごい』
「そうかな? 石を送るしか出来なかったけれど」
世界樹は……何をしたいのだろうか。
聖樹石も……意識体を寄越してまで、私達に試練を与えたりした。
結果としては……双方の願いや、浄化などが叶ったが……私は神であった頃を抜きにしても、弱い。
弱過ぎて、不甲斐ないと感じてしまう。
【しかし……あの石を送ってくださったことで、我らの森も変われた。誠に、感謝してもしきれない】
「……そうだといいけれど」
ケルピーは、私達に感謝の言葉を使ってくれた。
せめて……それだけでも、素直に受け取ることにしたよ。
しばらく、ケルピーが飛んでくれたことで……入り口には問題なく到着することが出来た。
彼の背から降りた時に、ケルピーからなにかを差し出された。一本の……太い髭?
【我の触角。何かの役に立つだろう……持っていかれよ】
「……ありがたく頂戴するよ」
依頼などでも役に立つかもしれないが……とりあえず、鞄の中にしまっておくことにした。
彼は私達に向かって、軽く頷いてから……空を駆けていったよ。
『い……く?』
「そうだね? 次の目的地の途中まで……歩いていこう」
「……ですな」
ところで……世界樹は宝玉を使わず、何故ケインらに言伝を頼んだだろうか?
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜
櫛田こころ
ファンタジー
料理人の人生を絶たれた。
和食料理人である女性の秋吉宏香(あきよしひろか)は、ひき逃げ事故に遭ったのだ。
命には関わらなかったが、生き甲斐となっていた料理人にとって大事な利き腕の神経が切れてしまい、不随までの重傷を負う。
さすがに勤め先を続けるわけにもいかず、辞めて公園で途方に暮れていると……女神に請われ、異世界転移をすることに。
腕の障害をリセットされたため、新たな料理人としての人生をスタートさせようとした時に、尾が二又に別れた猫が……ジビエに似た魔物を狩っていたところに遭遇。
料理人としての再スタートの機会を得た女性と、猟りの腕前はプロ級の猫又ぽい魔物との飯テロスローライフが始まる!!
おっかなびっくり料理の小料理屋さんの料理を召し上がれ?
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~
たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!!
猫刄 紅羽
年齢:18
性別:男
身長:146cm
容姿:幼女
声変わり:まだ
利き手:左
死因:神のミス
神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。
しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。
更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!?
そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか...
的な感じです。
全裸ドSな女神様もお手上げな幸運の僕が人類を救う異世界転生
山本いちじく
ファンタジー
平凡で平和に暮らしていたユウマは、仕事の帰り道、夜空から光り輝く物体が公園に落ちたのを見かけた。
広い森のある公園の奥に進んでいくと、不思議な金色の液体が宙に浮かんでいる。
好奇心を抱きながらその金色の液体に近づいて、不用心に手を触れると、意識を失ってしまい。。。
真っ白な世界でユウマは、女神と会う。
ユウマが死んでしまった。
女神は、因果律に予定されていない出来事だということをユウマに伝えた。
そして、女神にもお手上げな幸運が付与されていることも。
女神が作った別の世界に転生しながら、その幸運で滅亡寸前の人類を救えるか検証することに。
ユウマは突然の死に戸惑いながら、それを受け入れて、異世界転生する。
神獣に転生!?人を助けて死んだら異世界に転生する事になりました
Miki
ファンタジー
学校が終わりバイトに行く途中、子供を助けて代わりに死んでしまった。
実は、助けた子供は別の世界の神様でお詫びに自分の世界に転生させてくれると言う。
何か欲しい能力があるか聞かれたので希望をいい、いよいよ異世界に転生すると・・・・・・
何故か神獣に転生していた!
始めて書いた小説なので、文章がおかしかったり誤字などあるかもしてませんがよろしくお願いいたします。
更新は、話が思いついたらするので早く更新できる時としばらく更新てきない時があります。ご了承ください。
人との接し方などコミュニケーションが苦手なので感想等は返信できる時とできない時があります。返信できなかった時はごめんなさいm(_ _)m
なるべく返信できるように努力します。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる