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第十九章 眞島の場合⑩
第3話『ホワイトデーにチキン南蛮』②
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何が悪かったか。
お互いの改善点を反省するためにも……怜と皐月はいやいやではあるが、自分達のチキン南蛮を食べ続けることにした。
「チキン、パサパサ?」
「変にしっとりしてるわねぇ?」
「甘酢ダレも、ちょっと甘め?」
「砂糖入れ過ぎ?」
「「うぅ~ん……」」
普段から料理をほとんどしないせいで、ここまで反省点がたくさん出てくるとは。いきなり作って、彼氏達に食べてもらうよりずっと良いが。
「けどまあ? 初回でめちゃくちゃ失敗するよりは断然マシね? タルタルソースは美味しいわよ」
「おお、ほんとだ!」
全部が全部……悪い方向になったわけではない。
なので、二回目のチャレンジには……動画を先に予習してから挑戦することにした。前もってしておけばよかったが、レシピを見れば大丈夫だと思った怜達の過信によるものだ。
「……揚げ過ぎ?」
「衣もつけ過ぎ?」
「…………砂糖入れ過ぎないこと?」
「むむむ、ここをちゃんとすれば」
などと、改善点を見つけながら……次こそは、と材料の一部はまた使いつつ……味見もきちんとしながら作ってみれば。
「「出来た!!」」
見た目だけは、一回目のチキン南蛮よりも……より一層美しく出来たように思えた。
肝心の味は……と、箸で持ち上げ口に運ぶ。
「「んん~~!!」」
味。
食感。
あふれんばかりの多幸感。
ふたりで、一度は失敗したのに……二度目でこの出来上がりは文句の言いようがない。
どちらもそこまで、料理が得意でいないのに……裕司には劣ってもこれだけ出来れば文句を言う必要はない。
一回目もだが、二回目もきちんと……怜と皐月は残さずに口に入れていく。付け合わせのスーパーで買っておいた千切りキャベツも、余さずタルタルソースで平らげた。
「「……お腹いっぱい~~」」
片付けをするのは少し後にして、怜達はごろんと横になって食休みをすることにした。怜の部屋にはまだ寒がりな怜自身が出しているこたつのお陰で快適だった。
「いや~……最初はどうなることかと思ったけど」
「さっきの出来なら、智也もだけど……小森さんにも喜んでもらえるとは思うわ」
「もうちょっと……自炊しなきゃだねぇ?」
「だわね。小森さんすごいわ~」
智也はどうか聞くと、自炊はまずまずするが……ずっとハマっているのは漬物作りらしい。最近だと、浅めなぬか漬け作りにハマっているとか。
「漬け物……」
「紫蘇の実入れた漬け物とか美味しかったわよ? ご飯に合うわね」
「おお……食べてみたい」
「消費追いつかないから、ご近所に結構配ってたわ」
「さっちゃんは?」
「ほぼ毎日食べてるわよ。酵素の効果がいいのか、肌ツヤはマシになったけど」
「たしかに……つやつやだー!」
怜も、コンビニ弁当などのお新香をきちんと口にした方がいいだろうか。
それに、裕司が智也の漬け物作りの事情を知れば……色々考えてくれるかもしれない。
とりあえずは、ホワイトデーにはなんとか料理を振る舞えるので安心は出来そうだった。
お互いの改善点を反省するためにも……怜と皐月はいやいやではあるが、自分達のチキン南蛮を食べ続けることにした。
「チキン、パサパサ?」
「変にしっとりしてるわねぇ?」
「甘酢ダレも、ちょっと甘め?」
「砂糖入れ過ぎ?」
「「うぅ~ん……」」
普段から料理をほとんどしないせいで、ここまで反省点がたくさん出てくるとは。いきなり作って、彼氏達に食べてもらうよりずっと良いが。
「けどまあ? 初回でめちゃくちゃ失敗するよりは断然マシね? タルタルソースは美味しいわよ」
「おお、ほんとだ!」
全部が全部……悪い方向になったわけではない。
なので、二回目のチャレンジには……動画を先に予習してから挑戦することにした。前もってしておけばよかったが、レシピを見れば大丈夫だと思った怜達の過信によるものだ。
「……揚げ過ぎ?」
「衣もつけ過ぎ?」
「…………砂糖入れ過ぎないこと?」
「むむむ、ここをちゃんとすれば」
などと、改善点を見つけながら……次こそは、と材料の一部はまた使いつつ……味見もきちんとしながら作ってみれば。
「「出来た!!」」
見た目だけは、一回目のチキン南蛮よりも……より一層美しく出来たように思えた。
肝心の味は……と、箸で持ち上げ口に運ぶ。
「「んん~~!!」」
味。
食感。
あふれんばかりの多幸感。
ふたりで、一度は失敗したのに……二度目でこの出来上がりは文句の言いようがない。
どちらもそこまで、料理が得意でいないのに……裕司には劣ってもこれだけ出来れば文句を言う必要はない。
一回目もだが、二回目もきちんと……怜と皐月は残さずに口に入れていく。付け合わせのスーパーで買っておいた千切りキャベツも、余さずタルタルソースで平らげた。
「「……お腹いっぱい~~」」
片付けをするのは少し後にして、怜達はごろんと横になって食休みをすることにした。怜の部屋にはまだ寒がりな怜自身が出しているこたつのお陰で快適だった。
「いや~……最初はどうなることかと思ったけど」
「さっきの出来なら、智也もだけど……小森さんにも喜んでもらえるとは思うわ」
「もうちょっと……自炊しなきゃだねぇ?」
「だわね。小森さんすごいわ~」
智也はどうか聞くと、自炊はまずまずするが……ずっとハマっているのは漬物作りらしい。最近だと、浅めなぬか漬け作りにハマっているとか。
「漬け物……」
「紫蘇の実入れた漬け物とか美味しかったわよ? ご飯に合うわね」
「おお……食べてみたい」
「消費追いつかないから、ご近所に結構配ってたわ」
「さっちゃんは?」
「ほぼ毎日食べてるわよ。酵素の効果がいいのか、肌ツヤはマシになったけど」
「たしかに……つやつやだー!」
怜も、コンビニ弁当などのお新香をきちんと口にした方がいいだろうか。
それに、裕司が智也の漬け物作りの事情を知れば……色々考えてくれるかもしれない。
とりあえずは、ホワイトデーにはなんとか料理を振る舞えるので安心は出来そうだった。
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