なんでアタシばっかり、『釜』に転生！？〜何度転生しても調理器具への転生〜

茶釜④

第45話 エルフの祭り②

　感じた違和感はともかくとして。

　串焼きを最初に、ミディアちゃんはどんどん買い食いをしていったわ。

　イカ焼きぽいの。

　ベビーカステラぽいの。

　大判焼きのとか。

　焼きそば？　まで。

　普段からよく食べる子ね？　とは思っていたけど。

　まあ、食べる食べる。気持ちがいいくらいに。

　お金の心配……はなさそうね？　あれだけ浴衣の依頼がわんさかきてたんだもの。懐は十分に潤っているはずだわ。


「あ～……食ったわ」


　ひと段落した時は、ベンチがあったんで座ったようね？　位置的に顔は見えないけど、声の感じからして満足されたようだわ。


『食べたわねー？』

「また食うけど、とりあえずはこんなとこやんな？」

『まだ食べるの！？』

「せやで？」


　人間年齢にしても……二十代半ば。まだまだキャパは大丈夫そうね？

　たくさん食べる割に、運動は特にしてなさそうだけど。着物の仕立ては肉体労働ぽかったわ。それでカロリー消費してるのかしら？


『……まあ。お腹壊さない程度にね？』

「おおきに。けど、そろそろ神さんとこ行かんとなあ？」

『……あの人、何すんの？』

「ん？　ちょっとした魔法を披露してくれるんよ」

『魔法？』


　ミディアちゃん達エルフも出来るのに？

　何かわかんないから、移動中もワクワクしていると……屋台を通り抜ければ、広場のようなとこに着いたわ。

　エルフがたくさん居て、何人かはミディアちゃんが仕立てたと思われる浴衣を着ていた。