【完結】見通すのは蘇芳の瞳〜その出会いは必然か偶然か?〜

櫛田こころ

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第193話 疑いもしない

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 国綱くつなさんのお仕事を手伝う。

 記憶が戻り、日常が戻ってからも……私は当たり前のようにそれを意識していました。

 学業としての成績は、まあ平均よりは上の方ではありましたが。

 お互いに親を失い。

 許嫁の約束は、自然と受け入れていたこともあったため。

 私は記憶や身体を失う以前から、国綱さんの助手的立場でもありました。学業に差し障りがない範囲でですが。

 だから……他から指摘されることについて、介入はされても決意を揺らがせることはしませんでした。

 他の方に、今のように意見をしているというのに……矛盾してますね。

 藍羅あいらさんにも、それ以上は私のことを聞かれませんでしたが。


「お腹空いたし、どっか食べに行こっか?」


 そして、話題を変えてくださったことで、私のお腹も同時に音を立てました。


「……すみません」

「いいよいいよ! カロリー消費したし。どこ行きたい?」

「? 藍羅さんは?」

「玉ねぎ以外ならなんでもいいよー」

「玉ねぎがダメなんですか?」

「種族的に、毒物に変わるって意味でね」

「……なるほど」


 私は人間なのと、特に好き嫌いはあまりありませんが……かなり食べる方なのです。ええ、国綱さんにも笑われるくらいに。

 ですが、学校に通っていた時もランチは学食でかなり食べていました。だから、藍羅さんもそれは知っていらっしゃいます。


翠羽みはねちゃん的には、がっつりがいいよね?」

「……はい」

「んー。ジャンキー? 丼ものとか?」

「……藍羅さんに合わせますよ?」

「んじゃ! せっかく遊びにきたんだし、チャレンジメニュー行ってみよう!」


 と、手を握られて進んだ先には……『デカ盛り海鮮丼へのチャレンジ求む!』と言う広告がありました。

 海鮮系は……お寿司も含めて久しく口にしていなかったので。よだれが出そうになりました……!
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