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第166話 仕上げ
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当たれ……。
当たれ当たれ……当たれ。
我らは、この時のために。
あの子から、あの子へと受け継がれた。
あの子を殺したから……。
受け継ぐことを余儀なくされた。
何故……何故、何故。
正しい継承の儀をさせてくれなかった。
我らは、蟲。
蠢くモノ、存在するモノ。
あの子のために、幾重にも整う必要があったのに……出来なかった。
お前のせいで……あの子は苦しんだ。
父と母を失い、ひとりとなった。
正しく、受け継げていなかった。
そのせいで……隙が出来てしまった。
器をバラバラにしてしまうような、隙を。
我らは何も出来なかった。
だが、今は違う。
あの子は多くの助けを得た。
魂の記憶を失えど。
器をバラバラにさせられても。
蘇芳が手を伸ばしてくれたのだ。
本来、相入れない存在であった二人が……重なったことで。
我らの力も、あの男に届くのだから。
「止めます!」
あの子が蘇芳の前で、男に放った力の塊は……誰も避けようがないくらい、大きく美しいものとなっていた。
当たれ当たれ……当たれ。
我らは、この時のために。
あの子から、あの子へと受け継がれた。
あの子を殺したから……。
受け継ぐことを余儀なくされた。
何故……何故、何故。
正しい継承の儀をさせてくれなかった。
我らは、蟲。
蠢くモノ、存在するモノ。
あの子のために、幾重にも整う必要があったのに……出来なかった。
お前のせいで……あの子は苦しんだ。
父と母を失い、ひとりとなった。
正しく、受け継げていなかった。
そのせいで……隙が出来てしまった。
器をバラバラにしてしまうような、隙を。
我らは何も出来なかった。
だが、今は違う。
あの子は多くの助けを得た。
魂の記憶を失えど。
器をバラバラにさせられても。
蘇芳が手を伸ばしてくれたのだ。
本来、相入れない存在であった二人が……重なったことで。
我らの力も、あの男に届くのだから。
「止めます!」
あの子が蘇芳の前で、男に放った力の塊は……誰も避けようがないくらい、大きく美しいものとなっていた。
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