165 / 206
第164話 目の前の出来事②
しおりを挟む
助け……なので、しょうか。
私や、国綱さんが絶望に堕とされたと思った時に。
私達の前に、青い綺麗な光がほとばしり……男性体の姿となったのです。
その男性体は、見覚えがあるような後ろ姿でしたが……いつのまにか、手にしていた剣のようなもので、あの男の方に斬りかかっていきました。
当然、男は瞬時に術か何かでつくり出した武器で受け止めていましたが……男性体の勢いは負けていませんでした。何故、あの男性体はあの男に斬りかかっているのでしょう?
私達の……味方、でしょうか?
「……こ、の……!?」
『あの子達の未来を一度奪ったのは俺もだが……これ以上はさせない』
男性体の言っている意味が、よくわかりませんでした。
奪った?
私の未来を?
けど、助けてくださる……意味がわかりません。
ですが、あの男の方が危険であることには変わりありません。
頬を自分で叩き、気を引き締めて……私は|時蟲《とき
むし》の能力をさらに発動させます。
【……止まれ、止まれ!】
狙うはあの男と屍鬼を。
男性体にはもう少し頑張ってほしいですが、影響を多少は受けたのか動きが鈍りました。しかしながら、男と屍鬼とは違って動くことは出来ました。
だから。
『……これまでだ!』
男の胸に剣を突き刺し、血が大量に溢れ出てくると思ったのですが。埋まっただけで、体液などは何も出てきません。
ただ、上で高笑いが聞こえたかと思えば……あの男は宙いに浮かんでいました。
「甘いな! まだまだ」
つまり、男性体が刺したのは身代わり。屍鬼はどうでも良い存在だから。
すぐに私は次の術を発動しようとしましたが、いきなり男が苦しみ出しました。
「ぐっ!? がっ!!」
「……甘いのはお前だ!」
国綱さんも切り替えが出来たのか、何か印を組んで術を発動したようです。背中しか見えていませんが、先ほど同じように弱くなった気力は感じられません。
(流石です!)
であれば、私ももう少し力を練った術を放ちましょう!
私や、国綱さんが絶望に堕とされたと思った時に。
私達の前に、青い綺麗な光がほとばしり……男性体の姿となったのです。
その男性体は、見覚えがあるような後ろ姿でしたが……いつのまにか、手にしていた剣のようなもので、あの男の方に斬りかかっていきました。
当然、男は瞬時に術か何かでつくり出した武器で受け止めていましたが……男性体の勢いは負けていませんでした。何故、あの男性体はあの男に斬りかかっているのでしょう?
私達の……味方、でしょうか?
「……こ、の……!?」
『あの子達の未来を一度奪ったのは俺もだが……これ以上はさせない』
男性体の言っている意味が、よくわかりませんでした。
奪った?
私の未来を?
けど、助けてくださる……意味がわかりません。
ですが、あの男の方が危険であることには変わりありません。
頬を自分で叩き、気を引き締めて……私は|時蟲《とき
むし》の能力をさらに発動させます。
【……止まれ、止まれ!】
狙うはあの男と屍鬼を。
男性体にはもう少し頑張ってほしいですが、影響を多少は受けたのか動きが鈍りました。しかしながら、男と屍鬼とは違って動くことは出来ました。
だから。
『……これまでだ!』
男の胸に剣を突き刺し、血が大量に溢れ出てくると思ったのですが。埋まっただけで、体液などは何も出てきません。
ただ、上で高笑いが聞こえたかと思えば……あの男は宙いに浮かんでいました。
「甘いな! まだまだ」
つまり、男性体が刺したのは身代わり。屍鬼はどうでも良い存在だから。
すぐに私は次の術を発動しようとしましたが、いきなり男が苦しみ出しました。
「ぐっ!? がっ!!」
「……甘いのはお前だ!」
国綱さんも切り替えが出来たのか、何か印を組んで術を発動したようです。背中しか見えていませんが、先ほど同じように弱くなった気力は感じられません。
(流石です!)
であれば、私ももう少し力を練った術を放ちましょう!
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
【完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる