【完結】見通すのは蘇芳の瞳〜その出会いは必然か偶然か?〜

櫛田こころ

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第154話 屍鬼

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 気配が、膨れ上がっていく。

 そのようなモノを感じました。それは私だけではなく、国綱くつなさんも同じだったようで……振り返ると焦りの表情となっていました。


翠羽みはね……感じた?」

「はい! 何かとてもよくない気配を!」


 そして、私達が顔を合わせた時です。

 校舎から爆音が響き渡り……崩れたかと思うと、気味の悪い『鬼』の登場でした。ドス黒く、顔のパーツはかろうじてわかる程度ですが……巨体は、肉塊に包まれていました。

 あれは……鬼なのですか? とてつもなく、気味の悪い大きな存在です!


【……き、むし……す……お】


 しかも、言葉を話そうとしています。つまりあれは……存在らの集合体?

 先ほど透し視た、先生たちの血肉を取り入れた……存在。


「……屍鬼しきか」


 国綱さんが、その正体を見極めていたようです。すぐに式神らに攻撃を向かわせていましたが……やはり、膿の時と同じくさっと炙る程度でした。


「……どうしましょう」

「時間稼ぎは、十二神将に頼むとして……僕らで、共闘してあれを鎮める。でも」


 その続きは……わかります。

 あれを倒したとしても……あの男に辿り着くとは思えません。

 あの男は、何をしたいのでしょう。……私達を弄んだ挙句、一般人まで巻き込んで……何がしたいのでしょうか。

 とはいえ、今は目の前のことを優先します!!
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