【完結】見通すのは蘇芳の瞳〜その出会いは必然か偶然か?〜

櫛田こころ

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第151話 国綱の術

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 ここまでくると、致し方ないと言うべきか。

 あの雇われ教主の時とは違う。

 もっと広範囲で、下手をすれば厄介な。なら、僕も出し惜しみしている場合じゃない。

 式神らは顕現させても、このままでは……あまり意味がないだろう。

 なら、僕も力を解放させるまで。

 この場は、翠羽みはねが今後進んでいく場所のひとつなのだから。


「……臨」


 印を組み、目を閉じれば瞳が熱くなっていく。


「兵……闘、者」


 瞳だけでなく、胸も背も。

 背は特に、肩甲骨から翼でも生えたかのような熱さ。

 だが、力が解放されていくので熱くなっているだけだ。


「皆、陣、列、在、前!!」


 印から九字を切り、禹歩を白虎の上で何とか踏み……僕は、封印していた蘇芳すおうの力を少しずつ解放していった!!


「我が力、蘇芳よ……あれらを焼き払う力を!!」


 継承してまで、ここまで解放するのはいつ以来だろうか。

 翠羽を失ったと思った……あの時は落胆だったが、今は違う。取り戻したからこそ、リミッターがきちんとあるのだ!

 白虎を学校らしい建物の上空で止めさせ、解放させた力をドス黒い膿の中へと落としていった。
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