【完結】見通すのは蘇芳の瞳〜その出会いは必然か偶然か?〜

櫛田こころ

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第142話 その日の終わり

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 それからたくさん遊びました。

 限界まではいきませんでしたが、遊び倒したと言ってもいいくらい、たくさん遊びました。

 もちろん、途中に何度か休憩を挟みましたが……外がどっぷり暮れるくらい、私達はデートを楽しみました。

 夕ご飯は、デリバリーのピザを頼むことにしました。お互い疲れてしまったので、料理をする気力がさすがになかったからです。


「「いただきます!!」」


 お昼に十段バーガーも食べた私達ですが、たくさん遊びましたのでお腹はぺっこぺこでした。運動もですが、カラオケでもカロリーを消費したからですね。ゲームセンターを出たあとは、ほとんど歌いまくっていました。だから、お腹が空いても仕方がありません。

 注文したものを届いてから、リビングに商品を広げて食べることにしました。ピザは一枚で四種類の味が楽しめるのを二種。サイドメニューはサラダにポテチにライスコロッケです。


(ああ……夕ご飯まで贅沢な)


 明日の朝ごはんはきちんと私が作らないといけません。毎回このようなご飯では、栄養が偏ってしまいます。学校に行けない分、家事はきちんとしなくては。

 けど、今は楽しむべきだと思い、サラミやソーセージが乗ったピザを頬張ることにしました。これも実にチープな味わいでとても美味しいです。


「……あ」


 もぐもぐ食べていますと、国綱くつなさんのスマホから通知の音が聞こえてきました。乃亜のあさんからでしょうか?


「乃亜さんからですか?」


 飲み込んでから聞きますと、国綱さんは小さく頷きました。


「うん。例の玉の進捗があったから、明日は来てほしいって」

「……何かわかったのでしょうか?」

「だろうね」


 デートは終わりで、明日からはお仕事。

 いっそ、私も学校を中退して国綱さんのお手伝いをしたいところですが……受験の時に、国綱さんに言われたんですよね?


『義務教育じゃないにしても、色んなことを学んだ方がいい。大学も……費用は心配しなくていいから』


 ご自分は仕事を優先されましたのに、私は大丈夫だとおっしゃるんです。矛盾してますが、たしかに色々学ぶ機会があるのは大事ですから。それも今は……おやすみ中ですが。

 時蟲ときむしらが警告を解除していないので、まだ復学は無理なのです。警告はアラーム音のように、私が学校に意識を向けると脳内に特殊な音を響かせます。あの男は……私に何をしたいのでしょう? 時蟲の能力は、完全に私へと寄生しましたのに。
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