【完結】見通すのは蘇芳の瞳〜その出会いは必然か偶然か?〜

櫛田こころ

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第122話 矛盾ばかり

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 何故?

 どうして?

 どうして……術がうまく発動出来なかったのでしょう?

 みそぎもどきとは言え、身体はきちんと清めましたのに。

 準備をしたのに……術が完成しなかった。

 何かが足りなかったのでしょうか?

 もしくは……邪魔をされた?

 あの男に?

 どのような存在なのでしょう。

 私の身体が戻った意味を……いずれわかるだろうと言っていましたが。

 遠隔操作で、下手をすれば相手を殺すことも厭わない存在だと言うのはわかりました。

 無闇に、私が探索すれば……今度は死ぬと。

 そのように……警告を?

 だとしたら、酷く優し過ぎます。

 色々矛盾します。

 あれはいったい何をしたいのでしょうか?


「……翠羽みはね?」


 消えていく糸を見つめていますと……国綱くつなさんが来ました。

 私が返事を出来ないでいると、『入るよ?』と襖を開けました。見えたお顔は……心配そうな、蘇芳すおうの瞳がありました。
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