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第120話 僕は離さない
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僕は決めたんだ。
「翠羽、ずっと一緒にいたい」
僕の前から、突然姿が消えた彼女を。
「二度と……この手を離したくない」
不自然な形で取り戻したとは言え……あんな状態には、もうなって欲しくない。
幽体などと……生きているようで生きていない状態だなんて。
「絶対……絶対、誰にも渡さない」
だから……様々な犠牲があっても、翠羽は僕のところへ戻ってきてくれたんだ。
新たな敵らしき存在が出来ても……僕はもう嫌なんだ。
両親を失った以上に、愛する存在をこの手からすり抜けるような思いをするのは。
こうして、戻ってきたんだ。
絶対……離すものか。
「……私も、離れたくありません」
僕の手を握り返してくれる手は……温かだ。
幽体の時にはなかった体温。
僕も握り返して……二人であの家に帰っていく。
だけど……ひとつ思い出したことが出来た。
「翠羽、学校どうする? 今は休学扱いにしてるけど」
翠羽が幽体になる以前は行方不明に。
身体が戻ってからは、まだ復学への調整をしているが。
翠羽はまだ……年齢が高校生なのだ。
このまま一緒にいたいけれど、本分を忘れてはいけない。
「……正直、戻りたくないです」
「……同級生の質問攻め?」
「それもですけど……よくない感じがするんです」
「勘?」
「……勘です」
おそらく、時蟲が警告をしているかもしれない。
僕も、そこは慎重に動くことにした。
とりあえず、乃亜さんから連絡があるまでは……翠羽は休学をすることに決めた。
「翠羽、ずっと一緒にいたい」
僕の前から、突然姿が消えた彼女を。
「二度と……この手を離したくない」
不自然な形で取り戻したとは言え……あんな状態には、もうなって欲しくない。
幽体などと……生きているようで生きていない状態だなんて。
「絶対……絶対、誰にも渡さない」
だから……様々な犠牲があっても、翠羽は僕のところへ戻ってきてくれたんだ。
新たな敵らしき存在が出来ても……僕はもう嫌なんだ。
両親を失った以上に、愛する存在をこの手からすり抜けるような思いをするのは。
こうして、戻ってきたんだ。
絶対……離すものか。
「……私も、離れたくありません」
僕の手を握り返してくれる手は……温かだ。
幽体の時にはなかった体温。
僕も握り返して……二人であの家に帰っていく。
だけど……ひとつ思い出したことが出来た。
「翠羽、学校どうする? 今は休学扱いにしてるけど」
翠羽が幽体になる以前は行方不明に。
身体が戻ってからは、まだ復学への調整をしているが。
翠羽はまだ……年齢が高校生なのだ。
このまま一緒にいたいけれど、本分を忘れてはいけない。
「……正直、戻りたくないです」
「……同級生の質問攻め?」
「それもですけど……よくない感じがするんです」
「勘?」
「……勘です」
おそらく、時蟲が警告をしているかもしれない。
僕も、そこは慎重に動くことにした。
とりあえず、乃亜さんから連絡があるまでは……翠羽は休学をすることに決めた。
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