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第119話 考察
しおりを挟む「考えられることは……あの男が真の黒幕かもしれません」
温かい飲み物をいただきながら、私と国綱さんは乃亜さんのお話を聞きます。
インスタントでもコーンポタージュはやはり美味しいです。
「……僕もそう思います」
「……私もです」
あの異質な笑み。
存在を存在だとは思わない……思考の持ち主。
私達が昇華した、教主のことも……なんとも思っていない感じでした。
おそらく……私に身体をバラバラにしたのも、彼なのでしょう。
「とは言え、下手に手出しすれば……こちら側にある証拠品などをどんどん破壊されてしまうでしょうね? いずれ対峙するとなっても、国綱さんもですが……翠羽さんを再び捕らえる事を狙っているかもしれません」
「……そうですね」
あの教主だった存在のですが。
時蟲は世の中でただ一人にしか継承されない異能力。
国綱さんの蘇芳もですが……希少な能力だからこそ、欲しいと思う存在は多いでしょう。
私達が望んでいなくとも。
「させません、僕は」
私が気落ちしていると……国綱さんは、私が欲しい言葉をくださいます。
きっぱりと、真剣に言ってくださるのです。
だから……私にも気力が戻ってくるんです。
「私も尽力しますとも。いつでも協力致します。しかし、日常の中で何があるかわかりませんので……お気をつけて」
「「はい」」
とりあえず、今日のお話はここまでと言うことになり。
私達はお家に帰ることにしました。
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