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第115話 戻れど困難
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警察署へ行く途中。
私はもう幽体化ではないので。
どの存在も、人間も。
誰も……私に奇異の目を向けることはありませんでした。
ただ……一点困ったことは。
「……彼女に何をしようとした?」
簡単に言うと、『痴漢』です。
どうやら……私は対象になりやすく、何度か遭遇してしまったのです。
国綱さんが犯行未遂で助けてくださいましたが……その度に、国綱さんは自分が不甲斐ないと嘆かれました。
「だ、大丈夫ですよ?」
「……けど。僕も免許取ろうかな。翠羽に何か起きた方が危ない」
「……ありがとうございます」
国綱さんは、たくさん後悔されているのでしょう。
私が魍魎の策略により、身体をバラバラにされたこと。命の危機にはなかったものの……幽体化がなければ、生きているともわからなかった。
私達の両親を失った時と同じか、それ以上の痛みを感じてしまったでしょう。
私も……もう、二度とそのような感情を国綱さんに味わってほしくないです。
そして、はぐれないように手を繋ぐことにしました。
今更ですが、私と国綱さんは許嫁同士。
それに、思い合っている仲なのです。
幽体化の時に、感じていた嫉妬心は……杞憂だったのです。
だって、手を繋いでから……国綱さんは、少しずつ笑顔になっていましたから。
私はもう幽体化ではないので。
どの存在も、人間も。
誰も……私に奇異の目を向けることはありませんでした。
ただ……一点困ったことは。
「……彼女に何をしようとした?」
簡単に言うと、『痴漢』です。
どうやら……私は対象になりやすく、何度か遭遇してしまったのです。
国綱さんが犯行未遂で助けてくださいましたが……その度に、国綱さんは自分が不甲斐ないと嘆かれました。
「だ、大丈夫ですよ?」
「……けど。僕も免許取ろうかな。翠羽に何か起きた方が危ない」
「……ありがとうございます」
国綱さんは、たくさん後悔されているのでしょう。
私が魍魎の策略により、身体をバラバラにされたこと。命の危機にはなかったものの……幽体化がなければ、生きているともわからなかった。
私達の両親を失った時と同じか、それ以上の痛みを感じてしまったでしょう。
私も……もう、二度とそのような感情を国綱さんに味わってほしくないです。
そして、はぐれないように手を繋ぐことにしました。
今更ですが、私と国綱さんは許嫁同士。
それに、思い合っている仲なのです。
幽体化の時に、感じていた嫉妬心は……杞憂だったのです。
だって、手を繋いでから……国綱さんは、少しずつ笑顔になっていましたから。
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