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第112話 喪失して
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何か。
何か……夢を。
夢を見ていたような気がします。
いつのまにか、眠ってしまっていたようで。
目を開ければ、目の前には国綱さんの寝顔が!?
私、一緒に寝ていたんですか!?
(……あ、でも)
今日は……色々あり過ぎました。
一番は、身体と記憶のほとんどが戻ったことですが。
失った存在が多くありました。
むーちゃんさん。
琥珀さん。
お二人がいなければ……私は戻れないままでした。
魍魎の存在らも……崩れてしまいましたが。
親玉も、私と国綱さんの術で消えてしまい。
終わった……と思うのですが。
終わったにしても……とても哀しいです。
私達の大事な存在は、私のために……お母さん達が用意してくれた存在。
あの事故に見立てた犯行により……私と国綱さんはそれぞれの両親を失ったのですが。
お母さん達は……それを予知していた。
何故……私が十六になってからでしょう?
魍魎の企みであれば……もっと前からでも出来たでしょうに。
「……翠羽」
考えていたら、国綱さんが起きていました。
優しい蘇芳の瞳は、記憶を失う前と同じ色合い。
私の……大好きな方の瞳です。
「……国綱さん。私」
お互い疲れて、私の部屋で休んでしまったとは言え。
こんな……穏やかな過ごし方でいいんでしょうか?
私達は、また大切な存在を失ったと言うのに。
「……いいんだ。翠羽が戻ってくれて良かった」
髪を撫でてくださり、そっと私を懐に抱いていただくと。
私は……警察署でも同じだったように、泣いてしまいました。
国綱さんはずっと髪を撫でてくださったり、『大丈夫』と言ってくださいましたが。
私達は……これから、普通の存在と同じように過ごしていいのか……泣きながら、納得が出来ませんでした。
何か……夢を。
夢を見ていたような気がします。
いつのまにか、眠ってしまっていたようで。
目を開ければ、目の前には国綱さんの寝顔が!?
私、一緒に寝ていたんですか!?
(……あ、でも)
今日は……色々あり過ぎました。
一番は、身体と記憶のほとんどが戻ったことですが。
失った存在が多くありました。
むーちゃんさん。
琥珀さん。
お二人がいなければ……私は戻れないままでした。
魍魎の存在らも……崩れてしまいましたが。
親玉も、私と国綱さんの術で消えてしまい。
終わった……と思うのですが。
終わったにしても……とても哀しいです。
私達の大事な存在は、私のために……お母さん達が用意してくれた存在。
あの事故に見立てた犯行により……私と国綱さんはそれぞれの両親を失ったのですが。
お母さん達は……それを予知していた。
何故……私が十六になってからでしょう?
魍魎の企みであれば……もっと前からでも出来たでしょうに。
「……翠羽」
考えていたら、国綱さんが起きていました。
優しい蘇芳の瞳は、記憶を失う前と同じ色合い。
私の……大好きな方の瞳です。
「……国綱さん。私」
お互い疲れて、私の部屋で休んでしまったとは言え。
こんな……穏やかな過ごし方でいいんでしょうか?
私達は、また大切な存在を失ったと言うのに。
「……いいんだ。翠羽が戻ってくれて良かった」
髪を撫でてくださり、そっと私を懐に抱いていただくと。
私は……警察署でも同じだったように、泣いてしまいました。
国綱さんはずっと髪を撫でてくださったり、『大丈夫』と言ってくださいましたが。
私達は……これから、普通の存在と同じように過ごしていいのか……泣きながら、納得が出来ませんでした。
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