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第76話 その連絡
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国綱さんと、二回目の『しんけいすいじゃく』で遊んでいますと。
ピピピ、ピピピ
国綱さんから、かわいらしい音が聞こえてきました。
「……乃亜さん?」
どうやら、乃亜さんからのお呼び出し……でしょうか?
電話と言うのは、以前に教えていただきました。存在同士を繋げる連絡手段のひとつ。国綱さんやむーちゃんさんにも教えていただいたのです。
左手が戻った……今の私なら、触れるでしょうが。
国綱さんは、四角い薄い板を服のポケットから取り出し……耳に当てました。
(……お辛そうです)
国綱さんのお顔が、険しくなっていきます。
つまり、乃亜さんからの連絡は良くないこと。
ですと……もーりょーに何かあったのか。
あの二人の……どちらかに何かあったのか。
少ない情報でも……私にもそれだけはわかりました。
「……わかりました」
『……お願いします』
ピッと、指で板を押し……乃亜さんの声が聞こえなくなると、国綱さんは大きく息を吐きました。
「……翠羽」
『……はい』
私を呼ばれたと言うことは。
「……左手を持ってた、魍魎も殺された。出来れば……君の力を貸してほしいと」
『わかりました。お役に立てるのであれば』
「……辛くない?」
『……いいえ』
気味が悪いのはありますが。
記憶がまだまだ少ない私には……感情が薄いのです。
だから、怖いとは……あまり感じないのです。
出来るだけ、笑顔を作ってみますと……国綱さんは、ゆるりと微笑んでくださいました。
ピピピ、ピピピ
国綱さんから、かわいらしい音が聞こえてきました。
「……乃亜さん?」
どうやら、乃亜さんからのお呼び出し……でしょうか?
電話と言うのは、以前に教えていただきました。存在同士を繋げる連絡手段のひとつ。国綱さんやむーちゃんさんにも教えていただいたのです。
左手が戻った……今の私なら、触れるでしょうが。
国綱さんは、四角い薄い板を服のポケットから取り出し……耳に当てました。
(……お辛そうです)
国綱さんのお顔が、険しくなっていきます。
つまり、乃亜さんからの連絡は良くないこと。
ですと……もーりょーに何かあったのか。
あの二人の……どちらかに何かあったのか。
少ない情報でも……私にもそれだけはわかりました。
「……わかりました」
『……お願いします』
ピッと、指で板を押し……乃亜さんの声が聞こえなくなると、国綱さんは大きく息を吐きました。
「……翠羽」
『……はい』
私を呼ばれたと言うことは。
「……左手を持ってた、魍魎も殺された。出来れば……君の力を貸してほしいと」
『わかりました。お役に立てるのであれば』
「……辛くない?」
『……いいえ』
気味が悪いのはありますが。
記憶がまだまだ少ない私には……感情が薄いのです。
だから、怖いとは……あまり感じないのです。
出来るだけ、笑顔を作ってみますと……国綱さんは、ゆるりと微笑んでくださいました。
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