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第55話 ぷるぷる
しおりを挟む「へー? 魍魎がねぇ?」
琥珀さんは、むーちゃんさんを抱っこしながら……出迎えてくださいました。
私も手がひとつ戻ったので……触ってみたいです。
それにむーちゃんさんが気づいてくださったのか……琥珀さんから離れ、私の足元に来てくださいました。
『翠羽……こっち』
「おう。俺は国綱と話があるし」
「行っておいで」
『はい』
むーちゃんさんとご一緒に行きますと……椅子のところで、おいでおいでしてくださいました。
『翠羽。座ってみて』
『いいのですか?』
『うん』
そう言ってくださったので……まだ少し浮いてしまいますが。右足を下ろし、左手の方はつかんでも良い場所に置き。
なんとか座ることが出来ましたが……むーちゃんさんはすぐに膝の上へ乗ってくださいました。
『……むーちゃんさん?』
『戻った手で、私を触ってみて?』
『……いいんですか?』
『うん』
たしかに……さっきから触ってみたいと思っていました。
ご許可をいただけたのであれば……遠慮はいらないと言うことです!
そーっと、左手をむーちゃんさんに伸ばせば。
ぷるんとした冷たい触り心地を感じることができました!!
『わ、わ!』
『……どう?』
『気持ち、いいです!』
『でしょう?』
この触り心地を、琥珀さんは毎日……羨ましいです!!
むーちゃんさんが終わりとおっしゃるまで……私は左手で何度もなでなでしました!!
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