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第52話 触れる

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 戻りました。

 また身体が……少し重くなりましたが。


『……これで』


 左……ですが、手と腕が戻りました。

 試しに……幽霊の時と同じように動かすと、しっかりした動きになりました。

 次に……前に戻った右足に触ってみますと。


『……あ』


 ちゃんと、触ることが出来ました!

 少し……ひんやりしていて、あったかくて。

 ちゃんとした……自分の感触です!

 嬉しいです!!


「……うん。ちゃんと動かせているね?」


 国綱くつなさんも微笑んでくださいます。

 嬉しくて……つい、国綱さんに手を伸ばすと。

 ちょうど、お顔に触ることが出来ました。

 あったかくて、柔らかい……人間の温もりです!


『……触れています』

「……うん。そうだね」

『……はい』


 国綱さんも微笑んでいらっしゃいます。

 そこで思い出しました。国綱さんのお怪我のことです。

 手を出すようにお願いしまして……戻った左手とまだ幽霊の右手を出しますと。


【……戻れ】


 と、言いましたら。

 少し光って、すぐに治ってしまいました。びっくりです。


「……力が増している?」

『そうなのでしょうか?』

「……かもしれない。とりあえず、乃亜のあさんを呼ぼう」


 国綱さんは、薄い板を出して軽く叩くと……すぐにそれから声が聞こえてきました。


『国綱さんですか?』

「乃亜さん、また連中をひとり。それと、翠羽みはねの一部も取り戻しました」

『! わかりました。……少しこちらにも来ていただきたいので、螺子ねじに迎えに行かせます』

「? わかりました」

『……奴らの一角は?』

「気絶しています」

『そちらには早急に署の者を行かせますね』


 と言うやり取りがありましたので。

 私達はまた……あの『けいさつしょ』と言う場所に行くことになりました。

 白い布の方は、すぐに来たけいさつの存在らに連れて行かれました。
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