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25-3.最悪の予感(エミ視点)
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何か。
何か、気配がしたような気がしたのだ。
エミら、天津神は出来るだけ急いで、地獄の八岐大蛇の本体が保管されている場所へと向かって飛んでいる。尾を目指したが、そちらも心配だったからだ。だがもうすぐ目の前、と言うところで、エミは何か嫌な予感がした。
むず痒い以上に、背筋が凍るような。
最悪の結果である予感がするのだ。この直感は、無視していいものではない。だから、先を飛んでいる弟神らの装束の襟部分を引っ張った。
「ぐえ!?」
「あ、姉上?」
弟達が苦しんでから、エミはパッと手を離した。
「あっちよりヤバイ気配するわよ!!」
「は?」
「何処でですか??」
「方角はわかんないけど、とにかく厄介なのよ!!」
天津神として、無視するわけにはいかない。
本体もだが、この直感の先にいるものが何か。
エミは、だんだんと冷や汗が背中を伝う感覚がしたのだ。神なので実体はないというのに。笑也や過去の達川の人間達と関わり過ぎたせいかもしれない。
「だからって、姉者。何処へ?」
「気配とやらは私にもわかりませんが、この地獄で最悪の事態でも起こったんでしょうか?」
「……それしかわかんないわ。あたし達にとっても、現世にとっても……みのりんを苦しめる事態かもしんない」
そんな事はあって良いことではない。
下手すれば、現実世界どころか幽世でもある神域にまで関わる最悪の事態。
なので、一度止まってから、三神で探索の術を使うことにした。
「巡れ」
「地の底」
「天の天」
『我らの流れを繋げ』
そして、神力の流れを地獄に繋げて広げて行けば。
かなり奥地、最悪の地獄とも言われている阿鼻地獄で尾の反応を感じたのだ。
あそこで何を必要としているのか、エミ達にはわからない。
だが、弟達も感知出来たので、方向を変えて飛ぶことにした。
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