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25-2.差し伸べられる(呪怨視点)
しおりを挟む*・*・*(呪怨視点)
今日も、阿鼻地獄の獄炎に灼かれならも、呪怨は罪を身体に体現させられていた。
己は、負けたから。
万乗のあの忌々しい女どもだけでなく、十束剣によって地獄に突き落とされたのだ。
さらに、閻魔大王の判決により永劫、この阿鼻叫喚地獄で罪を受けなくてはならなくなった。
万乗だけでなく、数多の人間を屠って己の血肉にした罪。それも、呪怨にとっては大した罪ではないのに、呪いの存在でしかないためか感覚が違う。
【……何故。何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故!!?】
何故、自分だけこんな目に遭わなくてはならないんだ。
何故、万乗らだけ幸せに過ごしているのだ。
【許せない……許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せ……ないないないないないないないないないないないないないぃいいいいいい!!】
呪怨として長く現世で存在していたせいか、意識だけは灼かれながらもあった。
その口から出るのは、万乗らに対する恨み辛み。
だが、それを聴く者は誰もいない。獄卒らも容赦ない呵責をするだけだった。
ずっと、ここで灼かれて、しまいには無の境地に陥るだけなのか。そう片隅に思っても、応えてくれる相手は誰もいない。
いないからこそ、虚しく感じた。
『……じゃあ、僕と一緒に来る?』
獄卒らではない、幼い男の声。
身をよじりながらも、呪怨はそちらを向けば。焔に負けないまばゆい光を放っている魂の存在がそこにいた。
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もくじ
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二章 闇メン
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七章 コバヤシ君の日報
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