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22-1.許せない(???視点)
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穫が楽しんでいる。
良くない、良くない、全然良くない。
己の隣ならまだしも、あの大神を降ろす事が出来る異質のイタコの横で。
許せない、許せない、許せない。
そんな事は許せなかった。
穫は、この八岐大蛇のもの。
十束剣も含めて、我らの物である。達川などと言う、イタコに特化しただけの霊能者に穫を渡すわけにはいかない。
『……約束したのは、僕の方が先なのに……』
穫は覚えていないだろう。ずっとずっと小さな子供だったから。
だが、尾は覚えている、今も鮮明に。
あの時交わした約束を。
【指切りげんまん!】
わざわざ指切りまでしたのだ。その呪法は今でも有効状態。
穫と尾の繋がりは、まだ切れていない。
大神もだが、あのイタコもいつ気づくか。
尾が完全に回復したら、いよいよ穫を手に入れる。もちろん、この地獄にいるのだから八岐大蛇の本体も手に入れる。
詰めが甘い、天の大神達よ。
八岐大蛇はもうすぐ完全復活するのだ。
常世も現世も、何もかもが。
八岐大蛇のための時代になるのだから。
『……だから、穫は手に入れる』
その妻として相応しいのは、彼女しかいないのだから。
だが、今はあのイタコの隣がいいと言うのなら、少し夢を見させてやろう。
尾は、傷を癒すために眠りにつくのだった。
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