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19-3.尾の最後?(須佐視点)
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兄神の月読命の忠告が間に合わず、須佐は八岐大蛇の尾に雷の術を喰らわせてしまった。
そして、それを受けて尾は今度こそ倒れるかと思ったが。
「…………あひゃひゃひゃひゃ!?」
変な奇声を発して、雷を受けたところから、傷が治るだけでなく。どんどんと仮の身体が変形していった。
いくらか美しかったものが、どんどんと歪んでしまい。
まるで、それは。
「……八岐大蛇?」
何故。
本体に到達していないのに、神々である須佐達の攻撃で力を取り込んだのか。考えられるのはそれくらいしかないが、一体全体どうして。
どうして、八つの頭を持つ形状にまで変化していくのか。
「……受け過ぎて、力が膨れ上がったせいか?」
天と地と、冥。三つの力を一気に取り込んだのだ。何も副作用が起きないわけがない。
となれば。
「す……さ、のぉおおお!?」
特に、三神の中でも異質な須佐の力を多く取り込んだ今なら。
あの時のように、酒がなくとも倒せるかもしれない。
変形を待たずして、須佐は奴のところへと突っ込んでいく。
「「須佐!?」」
「素戔嗚尊様!?」
後ろの皆が叫んだ声が聞こえてきたが、迷っている場合じゃない。
奴はここで食い止めねば、と。須佐は別れようとしていた頭部を草薙剣で、一思いに薙ぎ払ったのだった。
ギャアアアアアアアアアアアア
耳障りな叫び声がしたが、躊躇わない。
ひとつ、またひとつ確実に切り落としていき。
まだ意思がありそうだった尾の頭部を真二つに割っていくと。
瘴気があふれてきたので、慌てて後方に飛んだ。
「……やったか?」
瘴気があふれて、落ちていく頭部は消滅していった。
あれだけ手こずった癖にしては呆気ない、最後だったが。
腑に落ちない部分はあったが、ひとまず。
終わった、と須佐は剣についてた血を払った後に。エミにもだが、月詠にも抱きつかれてしまった。
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