100 / 168
19-1.導きの唄(???視点)
しおりを挟む*・*・*(???視点)
ああ、ああ。
これが神々の力。
なんと心地よい、なんと甘美だ。
攻撃をわざと受けただけなのに、尾に力が与えられていくような感じだった。
月読命の風の刃を。
天照大神の金色の矢を。
身が裂けても、血が噴き出しても。
尾の力は増していくばかり。
ああ、ああ。これなら。
穫を手に入れられる。
金剛刀も。
だが、八岐大蛇の本体を手に入れれば。
もっと力は増すだろう。
だから、歌おう。
導きの唄を。
「我を導け……あまねく歌よ。
導け導け、我が本体を導け」
尾が歌い出した途端に、神々に閻魔大王の表情が変わっていく。
ああ、ああ。
愉快や愉快。
さあさあ、さあさあ。
我が本体である八岐大蛇の身体よ。
どこだどこ。
この地獄のどこだどこ。
今度は神々の攻撃を避けながら。
尾は進んでいく、阿鼻の地獄の中に。
飛んで飛んで、避けて避けて。
さあさあ、さあさあ。
導け導け、我が死出の唄よ。
導け導け、我が本体に。
尾は攻撃を見ずとも避けて避けて。
地獄の底へと進んでいくのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
65
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる