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18-4.彼らは今(笑也視点)
しおりを挟む*・*・*(笑也《えみや》視点)
美味しいものを食べて、穫が笑顔になってくれて良かった。
安心出来るようになってくれたので、笑也にとっても安心は出来たのだが。
昨夜から、一度も笑也のところに戻って来なかったエミ達のことが気になったてはいた。
呪怨のことがあったので、穫の安全確保のためにエミが近くにいてくれたのだが。
これまでのぐうたらな態度は相変わらずなとこはあっても、基本的に穫を大事にしてくれている。
好みの食事を作ってもらえることももちろんだが、人間として彼女を気に入っているからだろう。
他の弟二神は相変わらず、シスコンではあっても穫のことはそれなりに気に入っているらしい。だから、穫の危機に手を貸してくれるのかもしれない。
今、三神がどこにいるかはわからないが。
無茶を、してないで欲しいが。
天の神である彼らが、もし消滅したとしたら。
この国は、いいや世界中に影響が出てしまう。
そうであって欲しくないと願うしか出来ないのが、笑也には悔しくて仕方なかった。
エミを降霊しなくては、簡単な除霊しか出来ないただのイタコでしかない。
そう思えば、実力は金剛刀の咲夜を宿している穫の方が確実に上だ。呪怨と最後まで立ち向かったのだから。
「ごちそうさまでした!」
輝かんばかりの、愛しい人の笑顔。
これを守るためにも、あの八岐大蛇の尾にだなんて、絶対に渡さない。
だから、笑也も食べ終わってから手を合わせるのだった。
「次は長めのドライブ行こうか? 海に出よう」
「海ですか! 今年は泳ぎに行けてないので」
「あれ? マンションの上に利用者専用のプールあるけど」
「……バーもですけど、なんでもありですね」
「まあ、僕と言うより六条家の趣味だしね?」
「関西でしたっけ? 派手好きなイメージが」
「ふふ。巧もだけど、あいつのご両親がね?」
それに、来週くらいには彼女を両親に紹介したい。
それを告げれば、穫はカチコチに固まってしまったのだった。可愛くて、ついつい頭を撫でてやるくらいに。
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