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16-4.奇策を練る(???視点)
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邪魔をされた。
忌々しい。
忌々しい、天津神め。
やはり、素戔嗚尊と同じく、あの女神も厄介だ。
「殺す……は出来ないし、消滅したら……ここで穫とも生活出来ないし」
魂だけの存在にさせる気はない。
咲夜、と呼んでいた金剛刀も我が物にしなくては。
「我が悲願のためにも……穫も、金剛刀も必要。絶対……絶対、達川からは引き剥がす」
恋心を操作するなど、他愛もない。
事実、魂を引き出すときにできた。
今までの記憶も消え失せそうになったし、あの笑也と言う次期当主も手出し出来なかった。
次は、確実に狙う。
穫が寝ている時がいいか。
だが、天照大神や金剛刀も馬鹿ではない。何か対策を練らねば。
「……ああ、そっか。魂だけじゃなくて、身体も取り込めばいいんだ?」
八岐大蛇の尾として。
草薙剣を宿していた母体の身体だったのだから。
封印が綻んだ今は、力が少しずつだが戻ってきている。
だったら、本体である八岐大蛇の方も。
「く……くふふふ? 使おうじゃないか? 穫をこちら側に連れてくるためにも。奇稲田姫の時のように……穫の身体を生贄にすれば」
手に入る、確実に。
その準備をすべく、尾は霊体となって地獄へと向かったのだった。
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