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16-4.奇策を練る(???視点)

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 *・*・*(???視点)








 邪魔をされた。

 忌々しい。

 忌々しい、天津神め。

 やはり、素戔嗚尊すさのおのみことと同じく、あの女神も厄介だ。


「殺す……は出来ないし、消滅したら……ここでみのりとも生活出来ないし」


 魂だけの存在にさせる気はない。

 咲夜さくや、と呼んでいた金剛刀こんごうとうも我が物にしなくては。


「我が悲願のためにも……穫も、金剛刀も必要。絶対……絶対、達川たちかわからは引き剥がす」


 恋心を操作するなど、他愛もない。

 事実、魂を引き出すときにできた。

 今までの記憶も消え失せそうになったし、あの笑也えみやと言う次期当主も手出し出来なかった。

 次は、確実に狙う。

 穫が寝ている時がいいか。

 だが、天照大神あまてらすおおみかみや金剛刀も馬鹿ではない。何か対策を練らねば。


「……ああ、そっか。魂だけじゃなくて、身体も取り込めばいいんだ?」


 八岐大蛇ヤマタノオロチの尾として。

 草薙剣くさなぎのつるぎを宿していた母体の身体だったのだから。

 封印が綻んだ今は、力が少しずつだが戻ってきている。

 だったら、本体である八岐大蛇の方も。


「く……くふふふ? 使おうじゃないか? 穫をこちら側に連れてくるためにも。奇稲田姫くしなだひめの時のように……穫の身体を生贄にすれば」


 手に入る、確実に。

 その準備をすべく、尾は霊体となって地獄へと向かったのだった。
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