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13-7.呪怨の消滅②
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倒した。
と思う。
触手と違い、金剛刀である咲夜の剣から伝わってきた感触が、妙に生々しかった。
例えが悪いが、包丁で肉を切る時のようなあの感触。
それが、穫の手に伝わってきたのだ。
穫もだが、斎も含める万乗家を苦しめてきた、呪怨の塊。
咲夜を突き刺した部分から、次第に砂のように崩れ落ちていったのだ。
思わず、咲夜を抜くと。それでも呪怨の崩壊は終わることなく。
ただただ、呪怨の苦しむ咆哮と共に、崩壊は続いていった。
【……何故……だ。何故……!?】
まだ話す余力はあるようで、崩れ落ちながらも呪怨は憎むように穫を見据えていた。
「……それは」
「お前は、もともと世に必要とない存在だからだ」
咲夜が手の中から離れて、顕現した。横顔しか見れなかったが、憐れみも何も感じさせない真剣な表情だった。
【……と、つ……か】
「私を継承していく毎に溜まった怨念。それがお前だ。だが、誰からも必要とされない……」
咲夜の口から、呪怨の真実が語られた。
だが、この場にいる誰もが、それに口添えをすることはなかった。
【……う、あ……】
「眠れ。昇華せよ、万乗の呪怨。厄災を断つのが我が役目」
そうして、咲夜が片腕を上げて振り下ろすと。
それを合図に、呪怨の身体がちぎれて、霧散して行った。そこをすかさず、エミがスティックシュガーをこれでもかとふりかけた。
「お疲れよん。みのりん、咲夜。皆!」
ぴょんぴょんとエミが跳ねたことで、終わりだとわかると。
穫は力が抜けてしまい、咲夜に抱えられたのだった。
次に気がついた時には、引っ越したばかりの部屋のベッドに寝かされていて。子供の姿に戻った羅衣鬼と咲夜が穫のベッドにもたれかかって寝ていた。
穫が体を起こせば、すぐに二人とも起きて抱きついてきたが。
「巧が飯用意してくれてるって」
「……あの当主も混じえて、祝いの席を開くようだ」
「……ほんと?」
なので、着替えてから笑也の家に向かえば。
まだエミのままでいた笑也と他の全員に。
クラッカーで驚かされてから、宅配とインスタント食品でパーティーをしてくれたのだった。
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