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13-6.呪怨の消滅①(呪怨視点)
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なんだ。
なんだこれは。
天津神の力ではない。
人の子、人の子でしかないあの小娘達の力。
何故、何故、何故。
何故、こんなにも眩しい。
何故、こんなにも強大なのだ。
呪怨は知らない、このような力を。
かつての術師達は皆喰らってきたのに、これまでのどの術師とも違う。
何という輝き。
そして、何という熱さなのだろう。
「お前は、絶対倒す!!」
十束剣を手にしている小娘。
呪怨を恐れているのに、別の小娘が施した術のお陰か。強気になって呪怨に立ち向かって来ている。
不慣れでも、確実に当てようと言う気持ちで呪怨が差し向ける触手を剣で薙ぎ払っていく。
何度差し向けても、一振りで薙ぎ払ってしまう。
勢いが、全然違う。
これが、万乗の協力し合った術の為せる技なのか。
あと少し、で呪怨の本体を擦りかけた途端。
呪怨は、耐え難い痛みを感じた。
【ぐ……!!?】
本当に、ごく僅かだけ掠った程度なのに。
何という激痛。
過去に、十束剣による攻撃は幾度か受けたのに。
どの継承者とも違う、確実に呪怨を倒すための強い意志。
その意志により、掠っただけでも重みが違うのか。
触手が出せなくなり、また一撃。小娘から攻撃を受けてしまう。
【お前は、ここで終わらせる。……万乗に巣食う呪怨!!】
十束剣から声が聞こえた気がした。
だが、それが遠く聞こえるほど。
呪怨の意識は、攻撃を重ねられていくうちに、遠くなって行った。
【ぐ……ぁああああああああああぁああああああああああぁあぁ!!?】
長年に渡って、万乗を苦しめていた呪怨の権化。
それが、ついに消滅する瞬間だった。
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