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8-2.悔しい(呪怨視点)
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【何故だ。
何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故!?】
何故、何故。
何故こうも毎回毎回協力者が増えに増えていくのだ。
今度は術師。
しかも、陰陽師。
女ではあったが、憎きあの女よりは劣る強さ。
だが、厄介なことに。
こちらの呪力を吸い上げる力を持っていた。分身を差し向けたとは言え、かなり厄介な術を扱っていたのだ。
あれは、邪魔だ。
万乗の女を殺すには、厄介な女だ。
殺してしまおう、殺してしまおう。
そう決めると、すぐに分身を出そうとしたが。力を吸われたせいか、うまく出せなかった。
【……しばし、休めねばならぬか】
すぐに殺してしまいたかったが、力が出ねば呪怨とて何も出来ない。
下手すれば、消滅してしまうのだから。それでは憎いあの万乗を潰せない。
致し方ないが、ここは引こう。
空を駆けようと浮かんだ途端。
呪怨の目の前に、雷刃が降り注いできたのだった。
ギリギリで避けれたので、元いた場所を見ると。
地面が黒焦げになって裂けていた。
「ちっ! しくじったか」
低い、低くも艶のある声。
呪怨に雷を放った輩かと思ったが。降りてきたその姿は、天津神の白を基調とした装い。
つまりは、この男神は天の神そのものか。
「様子見と言ったでしょうに。須佐は術の扱いが荒いですよ?」
もうひとり、男神がいた。
先に来た男神よりも、女神に近い秀麗な顔立ちだが、装束は男神だった。
【……何故だ。何故、我の邪魔をするのだ!?】
呪怨が叫ぶと、二柱とも薄く笑うだけだった。
「決まっているでしょう?」
「我らの姉者が決めた事」
あの万乗の女を助けると。
それだけ言うと、もう一度雷刃を放ってきたが。
呪怨は悔しいが退散すべきだと、全速力で根城に戻ることにしたのだった。
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