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6-3.神生初の卵かけご飯
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腐海を羅衣鬼に片付けてもらい。発掘されたエミ達にもシジミの味噌汁を飲ませて。
朝からインスタントを使うのもどうかと思うが。買ってきた食材の大半は巧と購入したものばかりなので。
とりあえず、米はレンチン。汁物はコンソメベースでトマトスープを。
なんでもいいとエミには言われたので、気分的に卵かけご飯にしようと決めた。
出汁巻もいいが、気分が気分だったので。
手伝ってくれてる、咲夜や羅衣鬼には首を傾げられたが。
「穫ー? 卵とか割らないのか?」
「焼かないのか? このまま食べるのか?」
「卵かけご飯。二人とも知らない? 生の卵をといて、お醤油で味付けしたのをご飯にかけるんだけど」
「……生で?」
「食えんの!?」
「昔はわかんないけど。今の日本じゃ定番の朝ご飯だよ?」
「「えー??」」
信じられないようなら、信じさせるまで。
朝ご飯はゆっくり作りたいので、他の野菜炒めなんかはちゃっちゃと作る。須佐達もいるので、肉気が欲しいはずだから。ウィンナーに切り込みを入れて焼いておく。
ちなみに、大学二年ではあるが夏休み目前なので、今日の講義は午後しかない。
「にーく、にーく!」
「羅衣鬼君、ご飯は?」
「出来てる出来てる! 茶碗に盛ればいいのか?」
「そう。お願い」
「私はどうする?」
「うーん。お茶淹れてみようか?」
「粉を湯で溶かせばいいのか?」
「うん」
手分けして、リビングのテーブルに人数分の朝ご飯を持っていき。
回復してきた須佐と月詠が、卵かけご飯の準備を見て目を丸くしたのだった。
「椀に卵だけ?」
「これは……こう言う食事があるんですか?」
「あんた達はほとんどないかもね? 卵かけご飯って言って、生の卵に醤油を入れて混ぜて。米にかけたら美味しいすんばらしい現世での食事よ!!」
エミは、笑也に降霊しているからか食べたことがあるようだ。なので、手本を見せるべく。彼女はお椀に卵を割って、穫が持ってきた醤油を適量注ぎ。
しっかりといてから、少しくぼませておいたご飯の上から躊躇なくかけた。その光景に、弟二神は引き気味だった。
「姉者!?」
「姉上!? 今の食材が太古より安全ではあっても、卵を生のまま米に!?」
「美味しいのにー?」
と言って、遠慮なく口にかき込むように食べていった。
それを見て、さらに二神はぞぞっとしたらしいが。彼女は輝かんばかりの笑顔になった。
「……大神がお好きならば」
咲夜も挑戦してみるようで、同じように作ってみて。
ほんの少量箸ですくい上げてから口に入れた。
途端に、彼女も顔が輝いたように見えた。
「トロッと……醤油の味が引き立てて!?」
「美味しいでしょう? みのりん、ご飯おかわり」
「はーい。卵はどうします?」
「もう一個!」
「わかりました」
穫がおかわりを準備している間に、二神も挑戦してみたらしく。
穫が戻ったら、揃っておかわりをリクエストしてくれたのだった。
「みのりん、今日の予定は?」
食後のコーヒーを飲んでいるときに、エミから聞かれた。須佐と羅衣鬼はスティックのカフェラテである。意外にも、須佐は苦いのがダメらしかった。
「午後に大学で講義が。二人には、宿ってもらえれば大丈夫ですよね?」
「そうね? 夏休みに入る前は、昨日と同じような過ごし方でいいわー。けど」
「けど?」
「途中までの送迎は笑也にさせましょうか? あたしは運転出来なくないけど、止められてるから」
「やめておけ、姉者!」
「姉上の運転は地獄です」
「ねー?」
神様が運転出来るのは凄いと思ったが。
とりあえず、昼前に須佐達が帰ってからエミは笑也から離れて。
巧にも事情を話してから、この高級マンションの駐車場に着いたら。
「はい、どうぞ?」
「お、お邪魔……します」
さすが高級取り。
車もお高そうでカッコよかったのだった。
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