イタコ(?)さんと神様は、インスタント食品がお好きだそうな?

櫛田こころ

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5-4.冷凍餃子でタッカルビ①

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 *・*・*






 小鬼をどうするか。

 もちろん、笑也えみやにきちんと報告しなければいけない。

 咲夜さくやと決めた後。みのりがバイトの間は彼に店の隅に待機していてもらい。

 仕事が終わったら、外に出てもらい穫の頭に上に乗った。

 霊視能力がなければ見えないらしいし、その能力保持者も少ない現代。なら、小鬼が乗っていても問題ないと穫も受け入れた。

 で、途中咲夜に顕現してもらってから、スーパーで買い物。インスタントはつい先日大量に購入したので、合わせる材料を購入していく。

 夕飯は穫達も一緒なので、半分は穫の好みでもいいらしいが。エミや笑也は揃ってチーズ好きだ。

 穫もチーズは好きだし、けれど出来れば野菜はたくさん食べてもらいたい。

 実家の食堂で、散々言い聞かされてきた穫には野菜が少ないインスタント食品だと物足りないのだ。


「……なーなー、穫?」
「なーに?」


 小鬼との会話は基本コソコソの音量だが、彼の声は穫と咲夜くらいしか聴こえないので大丈夫だ。


「あそこのさ? たっかるびってなんだー?」
「タッカルビ?」


 小鬼が指した方向を見れば、たしかに韓国料理のタッカルビお肉が安売りしている広告が見えた。

 ひとり暮らしになってからは久しく食べていないが。ひとつだけ、母が作ってくれたタッカルビを思い出したのだった。


「ねえ、咲夜」
「なんだ?」
「咲夜は好き嫌いある?」
「? 特にない」
「んー……笑也さんも基本的にないって言ってたけど」
「おーい、穫ちゃーん」


 すると、スーパーに何故かいた管理人のたくみが。

 朝の挨拶以来だったので挨拶すれば、すぐに小鬼を凝視したのだ。


「な、なんだよ!?」
「こっちの台詞やで。なんやお前?」
「えっと……説明は長くなるんですが。大丈夫です、味方です」
「……穫ちゃんがそう言うんならええけど。……今買い物?」
「はい。タッカルビにしようかと!」
「ほー? って、あいつん家の調味料だと微妙やで?」
「いえいえ。冷凍餃子もたくさん買ったじゃないですか? それと野菜とキムチにチーズ。で、タッカルビするんです!」
「ひょー! 美味そ。俺飲みもん持参するから行ってもええ?」
「お仕事は?」
「内線あっから、それで応対するだけや。あとは夜の交代がこの間のあいつ以外にもスタッフおるんよ」


 なるほど、と穫も了承したので。

 小鬼も入れて四人できっちり買い物してから、仲良くマンションに戻ることになった。


「ほーん……穫ちゃんの家の騒動の一因」


 帰路で小鬼の説明をすると、巧はお仕置き代わりに小鬼の角をぐりぐりしたのだ。
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