イタコ(?)さんと神様は、インスタント食品がお好きだそうな?

櫛田こころ

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2-7.名付け・金剛刀

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 *・*・*






 目まぐるしい二日間だった。

 自分が単純に霊視能力を持っているだけの人間じゃないのもわかったが。

 さらに、人間離れした力を保持してたともわかり。

 その力そのものである、エミこと天照大神あまてらすおおみかみの配下であるつるぎ十束とつかと言う剣の総称のひとつらしい、金剛刀こんごうとう

 刀の方は、みのりの身体の中にまた吸収されてしまい。本体とは別の、生き霊ではないが精神体のような幽霊体のような、金剛刀の意識体は顕現したまま。

 最初は男性体だったが、穫が女なので何故か狐のような小動物型に変わり。性別も一応女の子になったようだ。位は低いが、一応神様らしく。だから変身などはお手の物だそうだ。

 そして、その小動物が愛らし過ぎて、引っ越したばかりの部屋に戻った穫は。


「可愛い~~可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!! もう超絶可愛い!!!!」
『み……のり、苦しい!!』
「だって、だって!! 実家でもわんことかにゃんこ飼えなかったから!!」


 ペットではないにしても、小動物が自分の腕の中にあるだなんて、愛でる対象でしかない。

 フェレットサイズの、狐のような耳が立ってるダックスそのような。それと、ふわふわなのに毛並みが艶やかなクリーム色の小動物は可愛くて仕方がない。


『わかった、から。離せ!! 目覚めた我が穫の加護も務めるのだから、ひとまず話そう!!』
「……お話??」


 なんの、と思って金剛刀を離して向かい合わせに座る。

 段ボールがまだ未開封状態の、広々としたリビングには穫と金剛刀の二人しかいない。

 エミや彼女の弟二神達は今は就寝してしまっている。同じくらい飲んだりしていたたくみには、今のうちに帰れと言われたので片付けなどは明日。いや、もう今日だが。

 とりあえず、新居に引っ越したばかりで閑散としているが。荷解きはまた起きてからすればいいだろう。

 ひとまず、金剛刀の話を聞くことにした。


『まず、万乗ばんじょうに取り巻く呪怨だが。あれは、我が物江ものえと契約した後に出来てしまったうみの集合体だ』
「うみ?」
『術師は優秀であれば優秀であるほど、妬みや恨みで悪しきモノを引き寄せてしまう。穫の場合は、我を封じられていたので我を触媒に付け狙われていた。生き霊もだが、少し弱い悪霊などは……我の封印が綻びかけていたせいだ』
「金剛刀の?」
『我の気……まあ、生命力とでもいうか。神の気だから、悪霊にとっては馳走……美味いものになる。今風に言えば、手軽に食えるスナック菓子のようなものだな? 穫も手の届くところにあれば欲しいだろう?』
「ざっくり言うね!?」


 つまりは、美味しい美味しい食べ物の状態である穫は。金剛刀の封印が解けかけていたので、生き霊や悪霊に狙われていたらしい。

 祖母のお陰で多少軽減はしてたがそれでも大学二年になった今年からは、一人暮らしとなったのでさらに悪化してあのラップ現象が起こったそうだ。

 だが、運のいいことに教授のお陰で、達川たちかわ笑也えみやと出会い、イタコの降霊術でエミとも出会えたので気に入られた。

 そして、万乗の当主達には悪いが。彼らの狙う金剛刀の封印を解き。

 一時的ではあるが、万乗の呪いとも言える悪霊からは離れることが出来たわけである。


『我も顕現は出来た。であれば、お前の手伝いなども出来る。お前の中からあの森のようなゴミの山は見たからな? 女の姿で明日……いや、今日か。手伝おう』
「ありがとう! けど、行ったらこの間のような感じにはなってないと思うけど」
『……我もわからん。それと、穫』
「ん?」
『金剛刀と普段から呼べば、外の人間には不振に思われる。名字はいいが、仮でもいい。名をくれないか?』
「あなたに?」
『一応女でいることが多い。それらしいのを頼む』
「うーん……」


 いきなり言われても、とは思うが。金剛刀が言うのもその通りだ。

 呼びやすい名前、しっくりくる名前。

 何かな、と思っていたら。穫がハンドルネームなどで使う名前を思い出したのだった。その名前に、思わずパンっと手を叩いた。


『?』
「決めたわ。あなたの名前は『咲夜さくや』。咲耶さくや比売命ひめのみことって神様は知ってて、ちょっとだけ名前借りて遊んでたことがあるんだけど……どう?」
『……ほう?』


 金剛刀はお座りしていた状態から、器用に跪く格好になって、穫にこうべを垂れたのだ。


「? えと……」
『我が名は咲夜。お前が命尽きるまで、汝を主と認めよう』
「! うん!」


 とりあえず、今は女の子なので。

 小動物型の咲夜を抱っこしてから、一緒にお風呂にも入ったし、寝る時も護衛の意味も兼ねて一緒に寝たのだった。
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