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2-2.タイムセール戦争
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翌日の土曜日。
エミである天照大神を主軸に、作戦会議を開くことになったので。
巧と一緒に、朝早くから買い出しとなった。コンシェルジュの仕事は、副管理人に頼んだから大丈夫らしく。一度挨拶したのだが、とても感じの良い女性だった。
買い出し前にこっそり関係を聞くと、巧の従姉妹だそうだ。
「あいつも視える奴やねん。だもんで、仕事も任せれっから」
「可愛らしい人でしたね」
「やろ?……けど、男の趣味悪いねん」
「え?」
「あー、ちゃうちゃう。筋肉好きなだけや。ボディービルダー系とかが好きなんやで?」
「そ、そうですか……」
ほんわか可愛い系の彼女が、筋肉萌えな人物。女性ではないが、笑也もイタコ(?)だから一癖も二癖もある。
巧も結構濃い人物だけど、常識人ではあるので隣で歩いていると安心は出来る。と思ってたが、数分後にその考えは激変した。
「いくで、穫ちゃん! タイムセールは戦争や!!」
「は、はい!!」
そのタイムセールに向けてやってきたので、時刻になると巧が目の色を変えて穫の手を掴んだ。そして、群がってくる主婦層に混じって、突進して行くのだ。当然もみくちゃにされるが、目指す商品であるレトルト関係のインスタント食品を手にするために、必死になった。
終わった時には、いつのまにかイートインコーナーで巧にアイスココアを手渡されていた。
「お疲れ。大丈夫か?」
「……あそこに突進した後の記憶が……ほとんどないです」
「ここ、エミとかが気に入りのインスタント系の食いもんが多いんや。だもんで、俺とかが買い出しに来んねん」
今日は穫がいたから、倍獲得出来たと喜んではいたが。穫は朧げな記憶の中に、刻まれていた巧の表情を思い出した。あれは、まさにハンターだったと。
「……とりあえず、この食べ物で大丈夫、ですか?」
アイスココアが沁みて、しみじみしていると巧は首を横に振った。
「まだあんねん。あと二箇所」
「え!?」
「とりあえず、慣れとき? ええ運動にもなるから痩せるで?」
「そんなぁ」
そして、マンションに戻った時は降りていた笑也にほっぺつんつんされるくらい、意識が飛びかけていたのだった。
「ちょっと、巧ぃ? みのりんをこき使ったのー?」
「おっ前らの食事レベルが半端ないからやろーが!? こんくらいでも足りへん言うんなら、節度覚えろ!?」
「ほーんっと、相変わらず生意気。けど、あんただから許すのに」
そして、部屋に行ったかと思えば、誰かを引きずって来たらしい。しかも、二人。
「なんだよ、姉者!?」
「……姉上。引っ張らずともついて行きますのに」
「新人ちゃん紹介なんだから、早く早くー!」
と言いながら連れて来たのは。笑也やエミに負けず劣らず、美形揃い。しかも、勝ち気そうなのと儚い感じの美青年達だった。
「ん? そいつか?」
「姉上が仰っていた……ふむ。能力はまだ開花してないですが、好ましい霊力の娘ですね?」
誰だ、と思う必要もない。
エミの事を姉と言っていたから、おそらく神様なのだろう。美形過ぎて眩しく、思わず目を閉じたかった。
「は……じめ、まして。万乗穫と、言います」
「ん。姉者から聞いてはいる。俺は素戔嗚尊。須佐とでも呼べ」
「わたくしは月読命。月詠とでも呼んでください」
「二人とも、あたしの弟で。この国ではトップの神々よん?」
実体化してるから、食事も出来るわ。と、言われて。とにかく粗相しないように頑張ろうとしか思えなかった。
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