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第127話 パンでパンで
しおりを挟む『「パンでパンでポーン!!」』
美濃さんとハイタッチして、魔法の中に入れておいた生地を出して……切ったら、両手で丸めていく。
これもだいぶできるようになったらから、だいじょーぶ!
おじいちゃんもてつだってくれたから、ひょいひょいってできちゃうの!
「桜乃ちゃーん!」
「やっほー!」
「おじゃまします」
次にフィリングを入れようとしたら、澪ちゃんたちが来たの。パーティーは明日なのに??
「どうしたのー?」
「明日のお手伝いに来たの」
「美濃さん達がいても重労働でしょう? 人手欲しくない?」
「大変だから、僕もお手伝いしたい」
「! ありがとう!!」
そうだった。
明日はたしかにあたしのレベルアップごほーびパーティーだけど……みんなといっしょにごはんを食べるパーティーだもん。
それに、パン屋さんもひとりでつくってはいけないんだ。
ルーブルも、おとうさんやおかあさん……パートのおばちゃんたちもいるから、おいしいパンを作っていける。
あたしはまだまだこどもだけど……おとうさんのあとをつなげる、いいてんちょーになりたいんだもん!!
それには、さっき美濃さんたちと決めた……たくさんのおべんきょーをしていかなきゃいけない。それをみんなでやっていったっていいんだ!!
「う~……はみ出る」
「夏樹ちゃん、手をもっと大きく広げて」
「こう……ですか?」
「ゆっくり……」
「駿、もうちょい力抜け。中身があふれる」
「……はい」
『桜乃。続きをするぞ?』
「はーい!」
パンだけじゃなくて、からあげとかポテトとかいろんなパーティーメニューを作っていく。
美濃さんとの魔法でできたてを食べれるようにできるから……あたしたちはたっくさんごはんをつくっていくの!
終わったら、美濃さんになぜかぎゅってだっこされたけど?
『楽しいぞ、桜乃。あちきをここまで使ってくれる今がとても楽しいのじゃ。ありがとう』
「! どういたしまして!」
前は、おじいちゃんだったけど、今はあたしが美濃さんのあいぼーなんだもん。美濃さんによろこんでもらえるのは、すっごくうれしい! しょーらいもいっしょにいられるように、毎日美濃さんのいるこの蔵でパンを作るんだ!
美濃さんは、あたしにぎゅっとした後におじいちゃんにもだけどみんなにもぎゅっとしてあげた。駿はあわあわしてたけど。
「明日たのしみだね!」
樹おじいちゃんたちもきてくれるから……たのしみだなあ。
みんなで、ごはんいっぱい食べられるんだから!
それに、美濃さんがたのしいって思えるパーティーをひらくんだもん!! もっとあたしもがんばって……これから先もたのしいことをつなげていくんだから!!
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