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第122話 おべんきょー編②
しおりを挟む「だからって、コンビニのパンも最近はバカに出来ないんだ」
で、次に来たのはコンビ二なの。
外のハタには、『マイキッチンで、パン焼いてます』って書いてあったわ。マイキッチンって……この中で、パン焼いているのかな? コンビニってお菓子やおにぎりとか売っているのに……パンまで手づくり?
あんまり来ないから、ちょっとだけドキドキしながらおとうさんについて中に入れば……奥に、あったの。
扉の中に並んでおいてあるパンが。
ちょこっとずつ、いろんな種類があって……ふつうのパン屋さんと同じだったの!! こういうお店もあるのね!?
「すごーい!」
「桜乃、ここのパンは二個までいいぞ」
「いいの!?」
「お父さんが取ってやるから、好きなの言いな」
「はーい」
ななめになってたから、名前もみやすくてわかりやすい。
じっくりえらんで……食パンに卵が乗ったトーストのと、クロワッサンみたいなげんこつのクリームパンに決めたわ。
おとうさんは、おじいちゃんたちのおみやげのをいくつか取って……トレーをレジに持って行ってくれたの。
レジにいたのは、見たことのあるおばちゃんだった。
「あら、水城さんじゃないかい。今日はわざわざうちに?」
「ちょっとした勉強ですよ。ここのパンも美味しいので」
「自家工場でパン生地作ってあるやつだけどねぇ? 勉強って、お嬢ちゃんが?」
「あたしも、パン屋さんになりたいんです!」
「いい返事だねぇ? 将来有望じゃないさ」
袋に入れてくれたあと、おかいけいが終わってバイバイをしてから……また車の中でパンをちょっと食べた。
すっごくおいしいわけじゃないないけど……さっきのおじいちゃんのところよりはおいしい?
コンビニのパンなのに??
「まあまあ美味いだろう?」
「なんで?」
ちゃんとしたパン屋さんとはちがうのに、なんでこんなにも味がちがうだろう??
「コンビニでも桜乃が生まれる前から、こんな感じで中にパン屋みたいなスペースを作って……作り方はちょっと違うけど、ちゃんとパン屋と似た味になるんだ。酵母を学んだんなら、ルヴァンがあっただろう? あれがかなり人気が出て、いろんなパン屋さんが力を入れているんだ。まあ、昔以上にパン屋さんも勉強してるんだよ」
「へー!」
じゃあ、ふつうの袋で売ってるパンは? って聞くと……そっちは変わっているものもあれば、そうじゃないのもあるんだって。
不思議だけど、そういうものなんだ……。
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