108 / 128
第108話 ちとやり過ぎた
しおりを挟む
騒がしい音がする。
式を飛ばさずとも、足音が聞こえてきおる。
我が本体、『ままごとキッチン』を顕現させておるので、刻限を確認は出来る。我が契約主である水城桜乃が学校から帰ってくるにしては少し遅い。
部活動とやらは、桜乃は涼太が長となっている『ルーブル』の手伝いをと言う理由で今まで断っていたらしいが。
来年度になってからは、また希望調査というものを教師からされるそうだ。その話し合いかの?
新学期が始まったばかりなので、それくらいは予想がつく。ゆえに、急いで帰ってきたところか?
妾とともにパン作りをしたい素直な童じゃな、相変わらず。
なので、戸が開くまで茶の準備でもしておこうと腰を上げた時に、勢いよく戸が開きおったわ。
「美濃さん、ただいま!!」
「「こんにちは!!」」
桜乃だけでなく、駿と夏樹もじゃ。いい笑顔で走ってきたのか、頬紅が濃いぞ?
『おお。おかえり……何かあったかえ?』
「すっごくいいこと!!」
桜乃が一番にこちらへ来て、手にしていた紙を妾に差し出してきた。その内容を読むと、妾も皆の様子の訳がよくわかったぞ?
『ほお。褒賞を得ることになったのじゃな?』
「「「ほーしょー??」」」
『ほっほ。古臭い言い方じゃが、ここに書いてあることと同じじゃよ。皆よく頑張りおった』
「美濃さんやおじいちゃんたちのおかげだよ!!」
「私ももっと勉強したいです!」
「ぼくも!」
『ほほほ。まあ、ひと休みしてからじゃ。たくさん走ったのであれば、休ませねば料理はケガをするぞ?』
「「「はーい」」」
現世の知識に合わせて、桜乃らにパンの技を披露しただけじゃが……ちと、技術が高かったやもしれんな。段蔵や澪もおったし、これくらいの童にはレベルが合わなかったか。とは言え、過ぎたことを悔いてもいかんので、段蔵も呼ぶべく念話を飛ばしながら桜乃らへの茶を注いでやった。
式を飛ばさずとも、足音が聞こえてきおる。
我が本体、『ままごとキッチン』を顕現させておるので、刻限を確認は出来る。我が契約主である水城桜乃が学校から帰ってくるにしては少し遅い。
部活動とやらは、桜乃は涼太が長となっている『ルーブル』の手伝いをと言う理由で今まで断っていたらしいが。
来年度になってからは、また希望調査というものを教師からされるそうだ。その話し合いかの?
新学期が始まったばかりなので、それくらいは予想がつく。ゆえに、急いで帰ってきたところか?
妾とともにパン作りをしたい素直な童じゃな、相変わらず。
なので、戸が開くまで茶の準備でもしておこうと腰を上げた時に、勢いよく戸が開きおったわ。
「美濃さん、ただいま!!」
「「こんにちは!!」」
桜乃だけでなく、駿と夏樹もじゃ。いい笑顔で走ってきたのか、頬紅が濃いぞ?
『おお。おかえり……何かあったかえ?』
「すっごくいいこと!!」
桜乃が一番にこちらへ来て、手にしていた紙を妾に差し出してきた。その内容を読むと、妾も皆の様子の訳がよくわかったぞ?
『ほお。褒賞を得ることになったのじゃな?』
「「「ほーしょー??」」」
『ほっほ。古臭い言い方じゃが、ここに書いてあることと同じじゃよ。皆よく頑張りおった』
「美濃さんやおじいちゃんたちのおかげだよ!!」
「私ももっと勉強したいです!」
「ぼくも!」
『ほほほ。まあ、ひと休みしてからじゃ。たくさん走ったのであれば、休ませねば料理はケガをするぞ?』
「「「はーい」」」
現世の知識に合わせて、桜乃らにパンの技を披露しただけじゃが……ちと、技術が高かったやもしれんな。段蔵や澪もおったし、これくらいの童にはレベルが合わなかったか。とは言え、過ぎたことを悔いてもいかんので、段蔵も呼ぶべく念話を飛ばしながら桜乃らへの茶を注いでやった。
1
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
魔の鴉がやってくる。『雨宿りの女』
安田 景壹
キャラ文芸
闇に潜む怪物どもを狩る魔女、七ツ森麻來鴉。
彼女は雨の日に怪異に憑りつかれたという少女、能見晶子の除霊を引き受ける。
だが、彼女の中に潜む怪異は、過去の因縁を経てやってきた恐るべき存在だった――……
お昼寝カフェ【BAKU】へようこそ!~夢喰いバクと社畜は美少女アイドルの悪夢を見る~
保月ミヒル
キャラ文芸
人生諦め気味のアラサー営業マン・遠原昭博は、ある日不思議なお昼寝カフェに迷い混む。
迎えてくれたのは、眼鏡をかけた独特の雰囲気の青年――カフェの店長・夢見獏だった。
ゆるふわおっとりなその青年の正体は、なんと悪夢を食べる妖怪のバクだった。
昭博はひょんなことから夢見とダッグを組むことになり、客として来店した人気アイドルの悪夢の中に入ることに……!?
夢という誰にも見せない空間の中で、人々は悩み、試練に立ち向かい、成長する。
ハートフルサイコダイブコメディです。
おにぎり屋さんの裏稼業 〜お祓い請け賜わります〜
瀬崎由美
キャラ文芸
高校2年生の八神美琴は、幼い頃に両親を亡くしてからは祖母の真知子と、親戚のツバキと一緒に暮らしている。
大学通りにある屋敷の片隅で営んでいるオニギリ屋さん『おにひめ』は、気まぐれの営業ながらも学生達に人気のお店だ。でも、真知子の本業は人ならざるものを対処するお祓い屋。霊やあやかしにまつわる相談に訪れて来る人が後を絶たない。
そんなある日、祓いの仕事から戻って来た真知子が家の中で倒れてしまう。加齢による力の限界を感じた祖母から、美琴は祓いの力の継承を受ける。と、美琴はこれまで視えなかったモノが視えるようになり……。
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第二部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』が発動した『干渉空間』と『光の剣(つるぎ)により貴族主義者のクーデターを未然に防止することが出来た『近藤事件』が終わってから1か月がたった。
宇宙は誠をはじめとする『法術師』の存在を公表することで混乱に陥っていたが、誠の所属する司法局実働部隊、通称『特殊な部隊』は相変わらずおバカな生活を送っていた。
そんな『特殊な部隊』の運用艦『ふさ』艦長アメリア・クラウゼ中佐と誠の所属するシュツルム・パンツァーパイロット部隊『機動部隊第一小隊』のパイロットでサイボーグの西園寺かなめは『特殊な部隊』の野球部の夏合宿を企画した。
どうせろくな事が起こらないと思いながら仕事をさぼって参加する誠。
そこではかなめがいかに自分とはかけ離れたお嬢様で、貴族主義の国『甲武国』がどれほど自分の暮らす永遠に続く20世紀末の東和共和国と違うのかを誠は知ることになった。
しかし、彼を待っていたのは『法術』を持つ遼州人を地球人から解放しようとする『革命家』の襲撃だった。
この事件をきっかけに誠の身辺警護の必要性から誠の警護にアメリア、かなめ、そして無表情な人造人間『ラスト・バタリオン』の第一小隊小隊長カウラ・ベルガー大尉がつくことになる。
これにより誠の暮らす『男子下士官寮』は有名無実化することになった。
そんなおバカな連中を『駄目人間』嵯峨惟基特務大佐と機動部隊隊長クバルカ・ラン中佐は生暖かい目で見守っていた。
そんな『特殊な部隊』の意図とは関係なく着々と『力ある者の支配する宇宙』の実現を目指す『廃帝ハド』の野望はゆっくりと動き出しつつあった。
SFお仕事ギャグロマン小説。
【完結】追放住職の山暮らし~あやかしに愛され過ぎる生臭坊主は隠居して山でスローライフを送る
張形珍宝
キャラ文芸
あやかしに愛され、あやかしが寄って来る体質の住職、後藤永海は六十五歳を定年として息子に寺を任せ山へ隠居しようと考えていたが、定年を前にして寺を追い出されてしまう。追い出された理由はまあ、自業自得としか言いようがないのだが。永海には幼い頃からあやかしを遠ざけ、彼を守ってきた化け狐の相棒がいて、、、
これは人生の最後はあやかしと共に過ごしたいと願った生臭坊主が、不思議なあやかし達に囲まれて幸せに暮らす日々を描いたほのぼのスローライフな物語である。
付喪神、子どもを拾う。
真鳥カノ
キャラ文芸
旧題:あやかし父さんのおいしい日和
3/13 書籍1巻刊行しました!
8/18 書籍2巻刊行しました!
【第4回キャラ文芸大賞 奨励賞】頂きました!皆様のおかげです!ありがとうございます!
おいしいは、嬉しい。
おいしいは、温かい。
おいしいは、いとおしい。
料理人であり”あやかし”の「剣」は、ある日痩せこけて瀕死の人間の少女を拾う。
少女にとって、剣の作るご飯はすべてが宝物のようだった。
剣は、そんな少女にもっとご飯を作ってあげたいと思うようになる。
人間に「おいしい」を届けたいと思うあやかし。
あやかしに「おいしい」を教わる人間。
これは、そんな二人が織りなす、心温まるふれあいの物語。
※この作品はエブリスタにも掲載しております。
薬師シェンリュと見習い少女メイリンの後宮事件簿
安珠あんこ
キャラ文芸
大国ルーの後宮の中にある診療所を営む宦官の薬師シェンリュと、見習い少女のメイリンは、後宮の内外で起こる様々な事件を、薬師の知識を使って解決していきます。
しかし、シェンリュには裏の顔があって──。
彼が極秘に進めている計画とは?

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる