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第102話 失敗原因

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 まずは、さっき約束していたバター作りから。

 美濃みのさんがさっき出してくれたのと、同じ牛乳をペットボトルに入れて。

 フタをしたら、なっちゃんもだけどあたしたちも強くたてに振った。振って振って振って!!


「んぎぎぎ!!」

「うにゅー!」

「む~~~~!!」


 バターになるまでたっくさん振って振って振って!!


「……若い子は元気いっぱいですねぇ?」

「お前さんも十分に若いぞ?」

「いやいや、十歳前の元気な子たちには負けますよ」

「……と言いつつ、出来そうだが?」

「あ。無心で振ってたら」


 美濃さん以外の全員で振って振って振って!!

 ごろっとしたバターのかたまりが出来上がったら……チャプチャプした牛乳の方をコップに入れて、ペットボトルはおじいちゃんとみおちゃんに切ってもらえば……ここにお塩を入れて、スプーンでかき混ぜたらバターの出来上がり!!


「……できた」


 なっちゃんは何もこわさないで、バターが作れた。ただ振っただけでも、なっちゃんの不器用がぜんぜん出なかった。

 だったら、もっと他の理由があるみたい?


『ほほほ。触れたものに呪いがかかるわけでもない。とくれば、そちには加減を間違える癖があるやもしれん』

「「「くせ??」」」

『人には必ず癖と言うものがある。何をするにしても、考えるにしても……その癖は無意識のうちに出てしまうのじゃ』


 ちょっとむずかしいお話だけど、なっちゃんがぜんぶ悪いことをしていたわけじゃないのかな? そんな考えしか出来ないけど。


「あー? いざ……夏樹なつきちゃん、お前さん。レンジ使うとき、どのボタン触って動かした?」


 おじいちゃんがいきなりそう聞くと、なっちゃんは『うーん』って首を動かした。


「えっと……一番上がいいと思って、そこから一分とかで?」

「……何あっためようとしたんだ?」

「おやさいとかです」

「……そりゃ、ラップしてても爆破するぞ」


 美濃さんの言ってたことが合ってたのか、おじいちゃんが聞いたことも合ってて。

 なっちゃんのおりょうり、大失敗じけんは、すぐにげーいんがわかったみたい。


【『みんなで手作りバター』

 ・100ポイント獲得しました。

 次のレベルまで、770ポイント

 】



 あたしの前に、ステータスが出てきて……少ないけど、みんなでいっしょに作ったから、ポイントがもらえたわ!

 みんなに言ったら、なっちゃんや澪ちゃんとハイタッチしたの!

 そのあとは、じゆーけんきゅーのために澪ちゃんからレポートって言うのをおしえてもらうことになったわ。澪ちゃんは、だいがくせいさんだから得意なんだって!
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