99 / 128
第99話 びっくり続き
しおりを挟む
バターができあがってから、おじいちゃんがこーかすいパンを焼いてくれて。
ふたを開けたら、ステータスが出てきてポイントとか説明とかが出てきた。
まだまだ次のレベルまでにはいかないけど、今日も成功だったわ。やった!
駿と澪ちゃんといっしょにタッチしたら、入り口の方から『わ!?』って声が聞こえてきたわ。
今の女の子の声って、まさか!?
「なっちゃん!?」
蔵のとびらを開けたら、外にはなっちゃんが立ってた。
「さ、桜乃ちゃん!」
「なっちゃん、どーしてここに?」
びっくりしたけど、なっちゃんはもじもじしていたわ。見ちゃいけないものを見たのにおどろいたのだとは思う。でも、こわいとかは思っていないようだった。
あたしは、ゆっくりでいいからと声をかけてあげれば……なっちゃんはうんって首を縦に振ってくれた。
「えっと。桜乃ちゃんが自由研究……どうしているか知りたくて」
「うん」
「おばあさんにどこかにいるかは聞いたけど……いい匂いがして、ちょっと見たら桜乃ちゃんたちがいて」
「気になった?」
「うん」
駿や澪ちゃんと同じだったわ。
びっくりしたけど……パンの匂いが気になって、食べたくて。
そんな気持ちとすごく似てた。あたしにはそう見えた。
だから、美濃さんに振り返って……目が合ったら、首を縦に振った。
『良いぞ』
「なっちゃん、こっち来て!」
「え……え?」
手をゆっくり引っぱって、中に入れてあげれば……澪ちゃんたちは笑顔だった。なっちゃんが来ておこっている人はひとりもいないもん。
「ここが、あたしの『ままごとキッチン』!」
「……ままごと?」
「なっちゃんも昔遊んでくれた、あのおもちゃがこうなったの!」
「……えぇえ?!」
びっくりするのはしょうがないけど、ちゃんと説明はしなくちゃ。あたしはなっちゃんが悪い子じゃないのは知っているんだもん!
「おう。伊澤の嬢ちゃんか、パンのいい匂いして釣られてきたか?」
おじいちゃんがそう言うと、なっちゃんは可愛いお目々をさらに大きくした。ちょうどオーブンから出たパンを見てびっくりしたみたい。
「……ここ、お店?」
「ううん。あたしたちの秘密の場所。奥のお姉さんは人間じゃないの」
「えぇえ?」
『この姿では、初めてかのお。夏樹よ』
美濃さんがふんわり浮かぶようにしてこっちに来たら、なっちゃんはキレイな美濃さんを見て、ぽかんと口を開けちゃった。
びっくり続きで、美濃さんを見てももっとびっくりしたかもね?
とりあえず、なっちゃんもいっしょにパンを食べようと美濃さんがていあんしてくれたから……魔法でえいっとイスとかを出してならべたわ。
ふたを開けたら、ステータスが出てきてポイントとか説明とかが出てきた。
まだまだ次のレベルまでにはいかないけど、今日も成功だったわ。やった!
駿と澪ちゃんといっしょにタッチしたら、入り口の方から『わ!?』って声が聞こえてきたわ。
今の女の子の声って、まさか!?
「なっちゃん!?」
蔵のとびらを開けたら、外にはなっちゃんが立ってた。
「さ、桜乃ちゃん!」
「なっちゃん、どーしてここに?」
びっくりしたけど、なっちゃんはもじもじしていたわ。見ちゃいけないものを見たのにおどろいたのだとは思う。でも、こわいとかは思っていないようだった。
あたしは、ゆっくりでいいからと声をかけてあげれば……なっちゃんはうんって首を縦に振ってくれた。
「えっと。桜乃ちゃんが自由研究……どうしているか知りたくて」
「うん」
「おばあさんにどこかにいるかは聞いたけど……いい匂いがして、ちょっと見たら桜乃ちゃんたちがいて」
「気になった?」
「うん」
駿や澪ちゃんと同じだったわ。
びっくりしたけど……パンの匂いが気になって、食べたくて。
そんな気持ちとすごく似てた。あたしにはそう見えた。
だから、美濃さんに振り返って……目が合ったら、首を縦に振った。
『良いぞ』
「なっちゃん、こっち来て!」
「え……え?」
手をゆっくり引っぱって、中に入れてあげれば……澪ちゃんたちは笑顔だった。なっちゃんが来ておこっている人はひとりもいないもん。
「ここが、あたしの『ままごとキッチン』!」
「……ままごと?」
「なっちゃんも昔遊んでくれた、あのおもちゃがこうなったの!」
「……えぇえ?!」
びっくりするのはしょうがないけど、ちゃんと説明はしなくちゃ。あたしはなっちゃんが悪い子じゃないのは知っているんだもん!
「おう。伊澤の嬢ちゃんか、パンのいい匂いして釣られてきたか?」
おじいちゃんがそう言うと、なっちゃんは可愛いお目々をさらに大きくした。ちょうどオーブンから出たパンを見てびっくりしたみたい。
「……ここ、お店?」
「ううん。あたしたちの秘密の場所。奥のお姉さんは人間じゃないの」
「えぇえ?」
『この姿では、初めてかのお。夏樹よ』
美濃さんがふんわり浮かぶようにしてこっちに来たら、なっちゃんはキレイな美濃さんを見て、ぽかんと口を開けちゃった。
びっくり続きで、美濃さんを見てももっとびっくりしたかもね?
とりあえず、なっちゃんもいっしょにパンを食べようと美濃さんがていあんしてくれたから……魔法でえいっとイスとかを出してならべたわ。
1
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
大阪の小料理屋「とりかい」には豆腐小僧が棲みついている
山いい奈
キャラ文芸
男尊女卑な板長の料亭に勤める亜沙。数年下積みを長くがんばっていたが、ようやくお父さんが経営する小料理屋「とりかい」に入ることが許された。
そんなとき、亜沙は神社で豆腐小僧と出会う。
この豆腐小僧、亜沙のお父さんに恩があり、ずっと探していたというのだ。
亜沙たちは豆腐小僧を「ふうと」と名付け、「とりかい」で使うお豆腐を作ってもらうことになった。
そして亜沙とふうとが「とりかい」に入ると、あやかし絡みのトラブルが巻き起こるのだった。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
姉と弟の特別な変身デート
wan
キャラ文芸
大学生の姉と中学生で恥ずかしがり屋の弟は仲良し!
姉はメイクや服に目覚め綺麗になり、弟はそれを見とれて意識してしまうことが多くなる。小さい頃はそんなことはなかったのに。
ある日、姉のメイクを見とれてたら弟もやることになって、、。
八百万の学校 其の参
浅井 ことは
キャラ文芸
書籍化作品✨神様の学校 八百万ご指南いたします✨の旧題、八百万(かみさま)の学校。参となります。
十七代当主となった翔平と勝手に双子設定された火之迦具土神と祖父母と一緒に暮らしながら、やっと大学生になったのにも関わらず、大国主命や八意永琳の連れてくる癖のある神様たちに四苦八苦。
生徒として現代のことを教える
果たして今度は如何に──
ドタバタほのぼのコメディとなります。
イケメン歯科医の日常
moa
キャラ文芸
堺 大雅(さかい たいが)28歳。
親の医院、堺歯科医院で歯科医として働いている。
イケメンで笑顔が素敵な歯科医として近所では有名。
しかし彼には裏の顔が…
歯科医のリアルな日常を超短編小説で書いてみました。
※治療の描写や痛い描写もあるので苦手な方はご遠慮頂きますようよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる