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第91話 自由研究のために

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『ほぉ? 自由研究となるもので、パン作りを?』

「良い案だろう?」

『うむ。良い良い』

「わーい!」


 おじいちゃんのてーあんに、美濃みのさんがいいよって言ってくれた。だから、じゆーけんきゅーにパン作りをしてもいいってこと。

 たのしいことが、べんきょーになるならとってもうれしい!


『じゃが、せっかくの自由研究……桜乃さくのひとりじゃもったいないのぉ』

「え?」

駿しゅんも誘ってはどうじゃ? 無論、あやつも自由研究に悩んでいたらじゃが』

「そっか」


 先生が、おしらせの時に言ってたわ。じゆーけんきゅーは同級生とか家族といっしょにやってもいいって。それが、ちがうクラスの駿でも大丈夫なはず。

 なので、いったん『おひらき』になってからおじいちゃんといっしょに駿のおうちに行ったの。


「……いいの?」


 駿にじゆーけんきゅーのことを話したら、困っていたみたいでやりたいって顔になったわ。


「おう。いい機会だ、色々教えてやる」

「あ、ありがとうございます! ちょっと母さんに言ってきます!」


 と言って、ぴゅーっとおうちの中に入って、またぴゅーってもどってきたの。手さげカバンをもっていて、中にはノートとかひっきよーぐが入っているのが見えたわ。


「よし、行くぞ」


 三人そろったから、うちの蔵へもどろうとしたら……途中で、みおちゃんに会ったの。お店の服じゃなくて、かわいいお洋服。

 どこか出かけてたのかな?


「あら、こんにちは」

「「こんにちはー」」

「よぉ、澪ちゃん。俺らはこれから蔵で自由研究するんだ」

「え!? 何その楽しそうなイベント!?」

「宿題だよー?」

「けど、パン作りでしょう?!」

「美濃が内容決めるがな?」

「……私も行きたいです」

「いいぜ。着替えてから蔵に来てくれ」


 って、おじいちゃんが言うと澪ちゃんはこくこくしてからダッシュでおうちに行っちゃった……。お祭りとかで、いそがしかったからうちにもきてなかったもんね?


「澪ちゃんといっしょ!」

「楽しくなるね?」

「うん!」


 駿と笑顔になって、あたしたちは蔵に行った。

 ただ、中に入ったら変なにおいがしたの。


「お? こりゃ……」

「「うぇー!!」」


 駿と今度は鼻をつまんで、くっちゃいって何度も言ってたら……奥から、美濃さんが笑いながらこっちに来たの。


『ほほほ。此度の自由研究……なかなか出来ぬ『酵母』にしようぞ』

「「こーぼ?」」


 って、なんのことかな?

 このにおいと関係あるのかしら??
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