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第83話 機材進化

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 おなかにずっつきしたら、おじいちゃんはすぐに起きてくれたわ。もっとちっちゃい時に、おじいちゃんやおとうさんが寝てたら、それでよく起こしてたのよね? 効果はばつぐんよ!!

 とりあえず起きてくれたから、美濃みのさんのいる蔵にいっしょに行ったの。


「美濃さんおはよー!」


 元気いっぱいにあいさつすれば、中にいた美濃さんはにこにこだったわ。お面も頭につけてくれてたから、うれしい!


『おはよう、桜乃さくの。……段蔵だんぞうはどうかしたかえ?』

「……腹に頭突きされて起こされた」

『ほほほ、そうかえ』


 楽しそうな美濃さんだったけど、あたしにステータスを開くようにお願いしてきたの。何をするんだろう?

 まだあんまり使い方がわかっていないステータスだけど、数字の横に『プラス』って字があるのに気づいたわ。


「これなーに?」

『それぞれを強くする、力とおもえば良い』

「力?」

『たとえば……このままごとキッチンを、もっと使いやすくする力じゃ』

「そうなの?」


 今でもすっごいと思ってたのに……もっとできるの?

 どんなふうになるのかわかんないけど、美濃さんが言うのならすごいんだわ!! あたしはワクワクしていると、美濃さんがオーブンのところをトントンとたたいた。


『まずはココがよかろう。数字の横を軽く触ってみよ』


 ちょんってさわってみたら、プラスの数字がシュバって光って……オーブンのところに『プラス1』って言うのが重なっていくように見えた。光が消えると……オーブンの文字がきれいなピンク色になったわ。

 それと、あたしたちの後ろにあったオーブンも光って……おじいちゃんが口笛をふいたの。


「機能向上か?」


 むずかしい言葉を言ってたけど、オーブンがもっと大きくなるのにびっくりしたわ!!

 かわいいけど、ルーブルの方にあるおっきなオーブンとちょっとだけ似てて……かっこよくも見えた。これが……力っていうののおかげ?


『このように、レベルアップさせたはいいのじゃが……それぞれをパワーアップする手順を踏んだら、このようになる。残りはあとで良かろう? まずは、皆の朝ごはんじゃ』

「はーい!」

「んじゃ、あれか? モーニングにしてやるか?」

『ほほほ。桜乃は食パンをともに焼こうぞ?』

「もーにんぐってなーに?」

「五百円くらいで、トーストとかサラダが食えるあれだあれ」

「! わーい!」


 ちょっと早起きしてがんばったときに、おかあさんたちと食べに行ったあのごはん。それを作れるのは、すっごくうれしいわ!!

 まずは、時間短縮クイックも使って……小さな食パン作りからはじめたの!
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