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第74話 おみやげまわり
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からあげでちょっとお腹がいっぱいになったから……次は、澪ちゃんたちのとこに行くことにしたの。もちろん、美濃さんへのおみやげ!
つくねと焼き鳥を買うのは、もう決めていたから……はやく行こうっておじいちゃんをひっぱったんだけど、まあ待てって言われたわ。
「落ち着け。屋台は逃げも何もしねぇよ」
「……だって。はやく買いたいもん」
「……まあ、土産だしな」
ぽんぽんとなでてもらったから、ちょっとだけ急ぐのはやめた。歩く人たちが増えたし、ぶつかっちゃいけないもん。おじいちゃんとはぐれて迷子になってもいけないわ。
(屋台がいっぱい。もっともっと悩んじゃうわ)
わたあめ。
たこ焼き。
焼きそば。
お好み焼き。
ポテト。
ハンバーガーとかもあったけど、ハンバーガーは美濃さんたちと作った方がおいしいからやめたわ。
おじいちゃんについて行きながら歩いていくと、甘辛いいい匂いがしてきたの。何度も知ってるいい匂いだから、屋台の前に行くと澪ちゃんの顔が見えた!
「あ、桜乃ちゃんいらっしゃい」
「こーんばんは!」
あいさつしたら、澪ちゃんのとなりにいたおじさんもあたしにあいさつしてくれた。
「よ。さっちゃんも来てくれたのかい?」
駿のお父さんだわ。焼き鳥焼いているから、汗すっごい! いつも汗はすごいけど、今日もだわ。首にかけてたタオルで顔をふいてからまた串をくるくるしていくの。
駿は……いないみたい。
「おじさん! 焼き鳥ください!」
「はいよ。さっちゃんにはちょいとおまけしちゃおう」
「わーい!」
「俊坊……別にいいんだぜ?」
「いいんですよ。うちの駿がいつもお世話になってますし、それにパンも」
「そうかい」
あたしはおじさんにほしい焼き鳥をお願いして、おこづかいを入れてた巾着からお金を出した。おじいちゃんからおじさんにわたしてもらったんだけど……焼き鳥の袋がおっきくなって出てきたの!
「……おじさん、いいの?」
「いいんだ。お家でちゃんと食べて欲しい」
「はーい!」
こういうのは、『ごこういに甘えて』っておかあさんがご近所さんからお野菜とかもらうときに言ってた気がする。
だったら、あたしもそれに甘えちゃおう!
半分くらいはおうち、半分は美濃さんのおみやげに決めて……次に行く前にあたしはおじさんに駿のいるところを聞いた。
「駿か。さっちゃんとこの屋台行くって言ってたよ」
「……うち?」
さっき見たときはいなかったけど、すれちがい? なのかな? ありがとうと言ってから、うちの屋台に行く前に……まだおこづかいがあるから、あたしは美濃さんへのおみやげに買いたいものを見つけたわ!!
「……これか」
「ぜったい、似合うと思うの!」
ちょっと顔が怖いけど、キツネのお面。
いくらするのか、ちゃんと値段を見たら……ギリギリだけど、買える。あたしは屋台のおねえさんにお金をわたしたわ。
つくねと焼き鳥を買うのは、もう決めていたから……はやく行こうっておじいちゃんをひっぱったんだけど、まあ待てって言われたわ。
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おじいちゃんについて行きながら歩いていくと、甘辛いいい匂いがしてきたの。何度も知ってるいい匂いだから、屋台の前に行くと澪ちゃんの顔が見えた!
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あいさつしたら、澪ちゃんのとなりにいたおじさんもあたしにあいさつしてくれた。
「よ。さっちゃんも来てくれたのかい?」
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駿は……いないみたい。
「おじさん! 焼き鳥ください!」
「はいよ。さっちゃんにはちょいとおまけしちゃおう」
「わーい!」
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