62 / 128
第62話 あたしの夢
しおりを挟む「ねぇ、おじいちゃん」
「ん?」
おじいちゃんは、美濃さんとなかよしさんだから……もう知ってるかもだけど。
ちゃんと言わなくちゃって思ったの!
「あたしの夢は、変わらないの」
「……おう」
「でもね。もっと夢が出来たの」
美濃さんとずっと一緒にいること。
おとなのじじょーで……変わることは出来るかもしれないけど。
一緒にいたいのは、嘘じゃない。
綺麗で優しい、美濃さん。
あたし達にパン作りを教えてくれる美濃さん。
ずっとずっと……一緒にいたいの。
あたしがおとなになっても、ずっと。
難しいかもだけど、決めたの。
あたしは……美濃さんが大好き。
おじいちゃん達とおんなじくらい……大好きなんだもん!
「……増えたのか」
「うん。美濃さんとずっと一緒に居たい」
「……じいちゃんは無理だったな」
「……聞いて大丈夫?」
「まあな。じいちゃんの親父、桜乃のひいじいちゃんが……まあ色々反対してきたんだよ」
「はんたい?」
「料理人とかが、凄い人間じゃないって……バカにされたんだ」
でも、おじいちゃんは。
がんばってがんばって……『ルーブル』を作った。
おとうさんが今は一緒。お仕事も、おとうさんがほとんどだけど……がんばっている。ひいおじいちゃんには、それがダメに思ったのかな?
ひいおじいちゃんは、あたしが生まれる前に……死んじゃったって聞いたことがあるわ。
だから、どーゆー人かは知らない。
「おじいちゃんはすごいよ?」
「……あんがとな。桜乃」
ちょっとさびしい笑顔だったけど、おじいちゃんは笑ってくれた。
いっぱいいろんなことはあったけど。
今は……あたしたちがいるもん。
美濃さんとまた会えるようになった。
毎日のように、おいしいパンを作れるようになったもん!!
だから……おじいちゃんが悲しくならないように。
あたしも、もっとがんばらなきゃ!!
「おじいちゃん、帰ったら……美濃さんとパン作っていーい?」
「まあ、明日も休みだしいいが……何作りてぇんだ?」
「おそーざいパン!」
「んじゃ、焼きそばパンとかどーだ?」
「わーい!」
パン作りのお話にしたら、おじいちゃんが焼きそばパンのことを言ってくれたから。
帰ったら、作ろうってことになったの!!
うれしい!!
『ほほほ。では、桜乃? 麺を取り出すところからしようぞ?』
蔵に行って、ままごとキッチンにして。
美濃さんとぱんぱんしてから……あたしとおじいちゃんは一緒にパン作りをはじめたの!!
今日もがんばろう!!
しょーらいの夢をかなえるために!
パン屋さんと、美濃さんとの夢をちゃんと決めたから!!
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
21
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる