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第44話 ソイパテハンバーガー②

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 みおちゃんがこねてくれた、ぱての方は……冷蔵庫に入れてたから、冷たかった。

 これを、フライパンでうすーく焼くんだって。


『厚い方も良いが……思い出してみぃ。ハンバーガーは分厚いパテだったかえ?』

「「ううん」」


 駿しゅんと一緒に、首を振ったら……美濃みのさんはにっこり笑ってくれたわ。


『食べやすさなども意味するが……今回も薄い方が良い』


 で、美濃さんはままごとキッチンの道具にあった『ふらいがえし』を持ってきたの。あたしに持たせてくれた。


「これどーするの?」

『ひっくり返すのもじゃが、軽くパテを押さえるのにも良い。フライパンに、駿はパテを入れておくれ?』

「はい」


 駿が入れたら……音は鳴らなかったわ。よーく見たら、火がついていなかった。


「火つけなくていいの?」

『方法にもよるが、肉は基本的に生焼けがいかん。冷たいままから、ゆっくり火をつけて……じんわり焼くのも良い。火をつけるところも、桜乃さくのがやってみるか?』

「うん!」


 コンロのつけ方は教えてもらったから……ゆっくり、『じじじ』をひねって、火がついたら少しずつ音が聞こえてくるの。

『次にフタをして蒸し焼きじゃ』


 フタは重いから美濃さんがやってくれたわ。


「……待つの?」

『うむ。時間短縮クイックをするまでもない。澪、てりやきのソースはまかせて良いか?』

「大丈夫です」

段蔵だんぞうは野菜を』

「おう」


 あたしと駿は、美濃さんと一緒にパテの出来上がりを待つだけでいいんだって。

 匂いはしてこないけど……少しずつ、音が大きくなっていく!

 ばちばち言うの!


「美濃さん、これどのくらい焼くの?」

『つなぎが豆腐、パン粉に卵じゃからの? じっくりゆっくり焼くが……五分は待つな?』

「……早く食べたいー」

「……僕も」

『待つ分だけ、美味な仕上がりになるのじゃ』

「「はーい」」

「こっちのコンロ借りてもいいですか?」

『良いぞ』


 澪ちゃんが隣で、ソースを作ってから少しすると……みたらしよりも、もっとしょっぱい匂いがしてきた。駿のおうちの、焼き鳥屋さんみたいな匂い!!


「「いい匂い~」」

「日本人なら、基本的に好きな味だものね?」

「だな」

『ほほ』


 このソースでハンバーガー?

 さらに、マヨネーズも?

 絶対おいしいと思うわ!!

 あたしたちが焼いているぱても……だんだん音が大きくなったので、美濃さんがフタをあけてくれたら。


「「……焼けてる??」」


 ウエハースちょこっと白っぽくなっているだけだ。


『桜乃、ゆっくりひっくり返してみりゃれ』

「うん!」


 気をつけて、ひっくり返してみれば。

 知っているハンバーグの色だったわ!!
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