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第40話 食べ合わせ

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 ひよこのおまんじゅうに、シナモンロール。

 全然違うけど、茶色いのは同じかな?

 美濃みのさんが魔法で出してくれた……『お茶の間』であたしたちは座ってた。おじいちゃん家の、和室とそっくり。

 ちゃぶ台の上に、お菓子が並べられたの!

 お茶は……シナモンロールもあるのに、ほうじ茶だったわ。

 なんでかしら?


「まあ、可愛いらしい!」


 あたしのわかんないはいいけど、いよ子おばあちゃんがシナモンロールを見てうれしそうだったわ。

 かわいいって言ってもらえてうれしい!!


「……うん。段蔵だんぞうくんや涼太りょうたくんのパンと比較しても……美味しそうだ」

「美濃も俺も手伝ったからな?」

「はは。さすがにひとりでは大変だろう?」

「いただいてもいいかしら?」

「いよ子おばあちゃん、おじいちゃんたちも食べて食べて!!」


 あたしも早く食べたい!!

 いただきますをしてから……一個を持ってみる。あたしの両手でなんとか持てるけど、おじいちゃんとかは手が大きいから片手で持てた。

 不思議な匂いはするけど……苦手だったのを、あんまり考えないように……口を開けて。

 あーんって、食べてみたら!?


「美味しいわ!」

「うん。これは」

『どうじゃ? 桜乃』

「おいしい!!」


 サクサクっとしてて、けどふんわりもしてる。

 お砂糖のあいしんぐ? も上にぬったから……シナモンの苦手な匂いとか味が気にならない!!

 おじいちゃんが作ったクリームもパンに合っておいしい!!

 ちょっと、口の中がいっぱいになった時に……ほうじ茶を飲んだら、合った。合ったわ!?


「美濃の用意した、茶に合うだろ? コーヒーもいいが、こう言う組み合わせも良いんだ」

『であろう? 途中で思い出したのじゃが』

「うん!」


 おじいちゃんは知ってて、紅茶とか言わなかったのね!!

 シナモンロールをもう一個食べる前に……せっかくのひよこまんじゅうを食べたら、いつもの味だからやっぱりおいしい。

 でも、シナモンロールもおいしいや。


「久しぶりにこれも食べるけど……本当に美味しい。美濃さん達の手伝いがあれど、桜乃ちゃんは将来有望株だね?」

「俺の孫だしな?」

「? ゆーぼーかぶ?」

「さっちゃん、いい事なのよ? いつきさんは、すごいって褒めてくれてるの」

「! わーい!!」


 うれしいうれしい!!

 すっごくうれしい!!

 お勉強とかも、もっとがんばらなきゃだけど。

 パン作りで、ほめられるのが一番うれしいわ!!


『そうじゃ。今のあちきの主は桜乃。まだまだ……いろんなパンを教えてしんぜよう』

「ありがとう、美濃さん!」


 もっと……もっとたっくさんのパンを作りたい!!

 みんなにも喜んでもらいたい!!

 がんばらなきゃ!!

 で、そのあとは樹おじいちゃんたちが帰るまでおやつにして。

 おとうさんたちにも、シナモンロールを持って行ったんだけど。


「……親父がいるからって、俺より美味い!?」


 って、おとうさんががっくししちゃった?

 美濃さんのことは言えないけど……おとうさんのよりおいしい??

 おかあさんに聞いて、一個だけお店のを食べたけど。

 おとうさんのはおとうさんので、おいしかった。苦手なのが食べれたわ!!

 おかあさんも『すごい!』って言ってくれたわ!
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