上 下
27 / 128

第27話 違うコロッケ

しおりを挟む
 手を洗って、美濃みのさんにはバイバイして。

 おばあちゃんのお家に行くと、おばあちゃんはちょうどご飯を作ろうとしてたわ。クッキーはあたしのお家の方に、途中で置いてきたわ。今食べたら、ご飯食べれなくなるもの!


「あら、さっちゃんおかえり」

「ただいま! おじいちゃんはいつきおじいちゃんのとこだよ!」

「ひとりで帰ってきたの?」

「だいじょーぶだったよ!!」


 美濃さんが一緒だったのは内緒だけど。でも……おばあちゃんはおじいちゃんの『おくさん』だから、美濃さんのこと知ってそうだけど。でも……いいや!


「そう。こっちに来たの?」

「ご飯お手伝いにきたの!」

「あらあらありがとう。今日はコロッケよ?」

「コロッケ!!」


 大好き!!

 おばあちゃんのコロッケ……ソースとかおしょーゆつけなくてもおいしいんだよね?


「お手手洗った?」

「洗ったー!」

「じゃあ……さっちゃん。一緒にコロッケのタネを丸めていこうか?」

「はーい?」

「うん?」

「丸く?」

「ああ。そうなのよ。今日は普通のじゃなくて、とうもろこしとツナマヨのコロッケなの?」


 とーもろこし。

 ツナマヨ……あ、食パンのサンドイッチに入れたり、ちくわにもおとうさんが入れてたわ!!

 けど……コロッケにしておいしいの?


「おいしいの?」

「甘くて美味しいわよ? 出来たら、一個だけおばあちゃんと味見しましょう?」

「うん!」


 ちょっと食べれるのはうれしい!!

 おばあちゃんがおいしいって言うなら、絶対おいしい!!

 タネって言うのは……ポテトサラダみたいに見えたけど、ころころお団子にして。

 あとは、粉に卵……パン粉をつけて。

 おばあちゃんが油で揚げてくれたわ!


(……今日見た『ふらいやー』じゃないけど)


 大きなふらいぱん? なべ? でおばあちゃんがどんどんコロッケを揚げていく。

 あたしの知っている、茶色になっていくと……とってもおいしそうに見えるわ!!

 早く食べてみたいけど……おじいちゃんにも言われたわ、すぐ食べるとお口がやけどだって。

 だから、おばあちゃんがコロッケを並べるまで待ったわ。


「はーい。よーく、ふーふーしてお食べ?」


 丸くてかわいいコロッケをフォークにさして、あたしに『はい』っと渡してくれた!!

 本当に、よーく、ふーふーしてから……食べたんだけど。

 あつくて、『ほふほふ』しちゃったわ!!


「あふあふ!?」

「あらあら、大丈夫?」

「……うん」


 なんとかごっくんすると……あつかったけど、甘くてしょっぱくて。

 いつものコロッケのより……マヨネーズの味がしてるから、ちょっと甘い? とうもろこしがあるからもっと甘い?

 不思議だけど……ソースをつけるコロッケとも違うわ!

 もぐもぐすると……もっとおいしい!!

 コロッケって……いろんなのがあるんだ!!
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

鎖 -アゲハ舞い飛ぶ さくら舞い散る2-

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:28

『マンホールの蓋の下』

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:511pt お気に入り:1

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,577pt お気に入り:393

仙年恋慕

BL / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:367

異世界召喚に巻き込まれました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:1,214

飯がうまそうなミステリ

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:710pt お気に入り:0

ぼくの淫魔ちゃん

BL / 完結 24h.ポイント:326pt お気に入り:4

ホロボロイド

SF / 連載中 24h.ポイント:298pt お気に入り:0

二番煎じな俺を殴りたいんだが、手を貸してくれ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:631pt お気に入り:0

処理中です...