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第23話 あんドーナツ②

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 あげたては、あっついからすぐに食べないんだって。

 お片付けしてから……冷ましてる、ドーナツに仕上げをするんだって。

 砂のように、真っ白なお砂糖を使うそうなの。


「……これなーに?」

『うむ。簡単に言えば、粉砂糖じゃよ』

「こな? なの?」

『グラニュー糖でも良いが、食べやすさと甘みを考えれば……こちらが良かろう』

「んだな?」


 で、美濃みのさんがあんドーナツの一個を持って……粉砂糖がある板の中で、コロコロしたわ。真っ白……じゃないけど、おいしそうになっていく!!

 お店のとおんなじだわ!!


「ドーナツだあ!」


 サクサクじゅわ~……早く、食べたいわ!!

 それが、美濃さんにはわかったみたいで。ドーナツを紙でくるんとしたら……あたしに『ほれ』と渡してくれた。


『がんばった褒美じゃ。桜乃さくのが一番じゃよ?』

「……いいの?」

「腹減ってんだろ?」


 おじいちゃんにもいいって言ってもらえるなら……食べちゃおう!!

 あんまーい匂いが、お腹をぐーぐーにさせちゃう!

 だから。


「いただきまーす!」


 ちゃんと言ってから、思いっきり食べる!!

 ちょっとだけあったかいけど……すっごくサクサク、じゅわ~で。パンの中はふわふわ。

 あんこはすっごく甘いけど、パンと食べると気になんない!!

 外の粉砂糖もあっまいけど……全然嫌じゃない。もぐもぐ、たくさん食べれるわ!!


『美味いか?』

「ふん!」

「……食ってから言え」

『それほど美味じゃろうて』


 美濃さんの言う通りよ!!

 すっごくおいしいんだもん!!



【『あんドーナツ(揚げ)』

 ・200ポイント獲得となりました。

 次のレベルまで、300ポイント

 】


 一個食べ終わったら……今日も出た!! ステータスが!!

 おじいちゃんにも見てもらうと、お口あんぐりだったけど。


「あれか? あれなのか? あんドーナツだからか?」

「どーゆーこと?」

「……多分。美濃の好みにもよるだろうが」

『ほっほ』


 よくわかんないけど。

 あんドーナツ……もう一個、食べていいかな?

 美濃さんを見て、『いいぞ』と言ってもらってから……あたしは自分で粉砂糖をつけて、あーんと食べようとしたら。


「ひゃ!?」


 蔵の入り口から、声が聞こえてきたわ。

 ちっちゃな声だけど……間違えないわ。


「……駿しゅん?」


 なんで、ここにいるの?

 あたしが呼ぶと、駿はゆっくりと中に入ってきたわ。


「……いい匂いがして。さっちゃんいるかなって思って」


 ごにょごにょ言っているけど……あたしに会いに来たの??


「あたしに?」

「……昨日のパンのお礼に。とーさんが」


 駿が持っていたのは、焼き鳥がたくさん入った袋だったわ。
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