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第22話 おじいちゃん大丈夫

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 パン作りって……すごいんだ。

 こんなにも楽しいんだ!

 おとうさんが毎日おかあさんとがんばっているのも、すごい。

 でも……お手伝い以上に楽しいと思うわ!!

 あたしも、いろいろ出来るようになりたい!

 だから……あんこをつつむのも、べちゃべちゃになるけどがんばって。

 出来たら、これをこのまま油であげるんじゃないから。


時間短縮クイック!!」


 だから、魔法をつかうの!

 すると……ちょっとだけぷくーっとふくらんだわ!!


『して。これを揚げるのじゃが』


 美濃みのさんがこっちこっちと、こんろの前に立って。あたしに手を出すように言ってきた。


「……ぱんぱん?」

『そうじゃ。少し魔力を使わせてもらう』

「? 何すんだ?」

『なに。簡単なことじゃよ』


 とりあえず……ぱんぱんと美濃さんと手を叩けば、こんろの隣の……なにもないとこが光って!!

 ピンクでできた……こんろでもオーブンでもない、なんかすごいものが出てきた!? 水みたいなのが入っているけど……ちょっと黄色い?


「……おいおい。フライヤーまで出来んのかよ」

『便利じゃろう?』

「……ふらいやー? なーに?」

「簡単にいやぁ。油鍋。ここで、ドーナツとかカレーパンとか揚げれるんだ」

「! あ! おとうさんもやってた!!」


 思い出したわ。

 おじいちゃんもだけど……おとうさんもたっくさんドーナツあげてた! あれができる場所なのね!!


桜乃さくのにはいきなり厳しかろう。段蔵だんぞう

「はいよ」


 おじいちゃんがすぐにあげてくれるらしいけど……一個、気になったことがあったわ。


「……おじいちゃん、腰大丈夫なの?」


 美濃さんと一緒に、パン作るとき……痛いって言わないのよね?

 聞いてみると、おじいちゃんは首を縦に振ってくれた。


「……痛くねぇな」

『桜乃とのパンが、そちにも効いたのじゃろう』

「かもな」

「……痛いのなくなった?」

いつきさんとこと同じタイミングだったろうな」

『念のため、病院には行きゃれ』

「はいはい」


 あたし……おじいちゃんの痛いとこも、無い無いになったの?

 美濃さんと一緒の、パン作りすっごーい!!

 おとうさんとおかあさんは……無理かなあ。

 ないしょじゃって、美濃さんは言うけど。


『ほれ、桜乃。入るぞ?』


 呼んでもらうと……おじいちゃんがピンクの板を使って、一個ずつあんドーナツを油の中へ入れてた!!

 じゅわああ、って……音と泡がすごーい!!


「すごいすごーい!!」

「あんまはしゃぐなよ? 油飛んで、やけどする」

「はーい」


 とりあえず……おじいちゃんが元気ならいいや。
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