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第16話 治すパン?①

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 なになになに!?

 なにが、起きたの!?


「は? マジ!?」

「あなた!?」

いつきおじいちゃん!?」


 あたしたちはびっくりしてたんだけど……ピカーって光ってたのは、すぐにいなくなって。

 樹おじいちゃんは、もぐもぐ食べおわったら……手をにぎにぎしていたわ。


「……これは。この感覚は!」


 って、よくわかんないけど……樹おじいちゃんが急にベッドの上で、シャキーンって立ち上がった!?


「樹さん!?」

「樹おじいちゃん!!」

「あなた……まさか」

「ああ……この感覚は!!」


 樹おじいちゃんは、あたしの前にくると……肩を優しくぽんぽんしてくれた。

 すっごい、シャキッと動いてるわ!


「……樹おじいちゃん?」

桜乃さくのちゃん。もしかして……美濃みのさんと一緒にパンを作ったのかい?」

「え!? おじいちゃん知ってるの!!」

「ああ。彼女は、幼いころの……僕の恩人なんだ」

「……桜乃。ちょいと、樹さんをジーッと見てみろ」

「? なんで?」

「見りゃわかる」


 頭の中ぐるぐるだけど……おじいちゃんの言ってみたように、樹おじいちゃんをジーッと見てみると。

 あの薄い板が……樹おじいちゃんの前に出てきた!!



西条さいじょう樹[八十五歳]


 ・虚弱きょじゃく体質改善(回復傾向)

 ・体力大回復

 ・身体しんたい能力大回復



 以上により、ポイントを200加算させていただきます。


 レベル2となりました!


 →追加機能、時間短縮クイックレベル1


 次のレベルまで、残り500ポイント


 】



 って、出たけど……よくわかんない!!


「……まだ俺にも見えるな? 桜乃……お前、樹さんの悪いとこ治したんだよ」

「え?」

「やはり……美濃さんが、桜乃ちゃんの先生に!」

「まあまあ、さっちゃんの先生が?」

「俺も多少手伝ったが、あいつ復活したんだよ」

「……ありがたいことだ」


 えーっと、とりあえず?

 あたしが作ったパン……お薬になったの?

 他のみんなにはなんともなかったのに??


『ほっほ。樹らは久しいのお?』


 わかんないでいると、後ろから美濃さんがいきなり出てきたわ!!


「「美濃さん!!」」

「……相変わらず、契約者居りゃ……神出鬼没しんしゅつきぼつだなあ?」

『ほほほ。桜乃がおるからじゃ』


 と言って、美濃さんはあたしの頭をなでなでしてくれた。


「……蔵から出てこれないんじゃ?」

『レベルが上がったのでなあ? すこーしだけじゃ』

「……そうなんだ?」


 だったら、樹おじいちゃんが元気になったのもだけど。わかんないのも教えてもらえる!!


『しかし……樹もじゃが、いよ子も歳を重ねたのお?』


 いつから、おじいちゃんたちに会ってないかは知らないけど……美濃さんは優しい笑顔だったわ。
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