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第15話 長生き夫婦

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 おじいちゃんが車を走らせて、ちょっとしたとこにあるお家。

 おっきなお家で、あたしのとこと同じくらいかなあ?

 おうちの前に、おじいちゃんが車を止めて……ケースを出す前に、おじいちゃんがピンポンを押してくれた。あたしじゃ、ちっちゃくて届かないから。


「いよ子さーん。水城みずき段蔵だんぞうだ。いいもん持ってきた」

『はぁい?』


 ピンポンから声が聞こえてきたので、ちょっと待った。

 待っていると……引き戸が開いて、おじいちゃんの腰くらいの大きさ。あたしよりちょっと大きいおばあちゃんが出てきたわ。


「いよ子おばあちゃん!」

「まあまあ、さっちゃん? 段蔵くんまでどうしたの?」


 おばあちゃんは、おじいちゃんより年上だから……おじいちゃんを『くん』って言うんだよね?

 それはいいんだけど。


「いよ子おばあちゃん!! あのねあのね!! あたし、おじいちゃんと一緒にパン作ったの!!」

「? パンを?」

「オープンサンドだがな。今色んなとこにおすそ分けしてんだ。いよ子さんもどうだ?」

「まあまあまあ!」


 うちのおばあちゃんよりも年上だけど……いよ子おばあちゃんかわいいなあ。だんなさんの、いつきおじいちゃんは……すぐ来ないから、ベッドかな?

 樹おじいちゃんは体が弱いんだよね?


「樹さんにも持って行きたいから、上がらせてもらっていいか?」

「もちろんよ。まだおやつ前だし、やわらかいパンならあの人も喜ぶわ」

「おじゃましまーす!」


 おじいちゃんはケースを持ってから来るってことになったので、あたしだけ先におうちに入ることになったわ。

 ほんと、お家は大きくて……ひろーい。もっと小さいときは迷子になったって聞いたことある。

 今日は、樹おじいちゃんに会うから、いよ子おばあちゃんについていく。

 しょーじを開けたお部屋に着くと、ベッドで樹おじいちゃんがご本を読んでた。


「おや、桜乃さくのちゃん?」

「あなた。段蔵くんとさっちゃんが、パンを作ったそうよ? 今あちこちにおすそ分けに回っているんですって」

「そうなんだ? パンは僕大好きだからうれしいね」

「がんばって作ったの!!」


 喜んでもらえるといいなあ。

 おじいちゃんもすぐに来てくれたんで、樹おじいちゃんたちの前でケースのフタを開けたわ。


「「これはこれは!!」」

「今んとこ好評こうひょうだ」

「本当に美味しそう」

「それに……何かなつかしさを感じるね?」

「なつかしさ?」


 どう言うことかな?

 とりあえず……樹おじいちゃんといよ子おばあちゃんはパンを一個ずつ持って食べてくれたんだけど。

 いきなり、ピカーって光ったわ!?
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